二極化するPER:バリュー株とグロース株で二極化
TOPIX(東証株価指数)の今期(2022年3月期)予想PER【楽天証券経済研究所の予想ベース】は、現在、約17倍です。10~20年前は20~40倍でしたが、その後、低下が続いています。その頃と比較して、日本株はPERで見て割安になったといえます。
ただ、個別銘柄を見ると、PERは二極化しています。製造業や金融業、資源関連産業のバリュー(割安)株はPERが低く、非製造業、情報通信・サービス・バイオ産業のグロース(成長)株はPERが高い傾向がはっきり出ています。
製造業は利益が不安定なので、PERで高い水準まで買われにくくなっています。たとえば、自動車株がそうです。トヨタ自動車(7203)の予想PERは現在12倍です。コロナショックから急速に立ち直りつつありますが、それでも将来世界各国が脱ガソリン車、EV(電気自動車)化を進めることが逆風になる懸念があるため、PERで高い評価まで買われにくくなっています。
ただし、例外はあります。半導体関連株は製造業でも成長期待があるので、PERで高く評価される傾向があります。
製造業と同様に、金融業もPERが低くなっています。世界的に低金利が広がり、長短金利スプレッド(長期金利と短期金利の差)が縮小していることが、金融業全般に逆風とみられています。
一方、サービス・情報通信・バイオなどのグロース株は、投資家の評価が高く、PERで高く評価されます。