ウェイチャイ・パワー(香港株:02338)

政府系・自動車部品、商用自動車メーカー

 山東省政府系の自動車部品、商用自動車メーカーです。

 部門別売上高(2020年12月期)では、天然ガス、ディーゼル油用のエンジン、発動機、大型トラックや、ギアボックスなど関連部品が59%、フォークリフト、物流システムが33%、水素エネルギー電池発動機、油圧機器、自動運転システムなどが8%。輸出が35%。2020年12月期業績は13%増収、1%増益でした。

 コロナ禍に対する景気刺激策としてインフラ投資拡大政策が採られたこと、環境基準が強化されたことなどから、エンジン、発動機、ギアボックス、大型トラック需要が拡大、2桁増収に寄与しました。

 一方、フォークリフト、物流システムは需要の低迷から業績の足を引っ張り、全体で微増益にとどまりました。第14次五カ年計画では新エネルギー自動車の普及が加速。中でも水素エネルギー振興政策が重点的に強化されると予想します。

隆基緑能科技(上海A株:601012)

発電所建設も行う太陽電池メーカー

 陝西省西安市に拠点を持つ民営の太陽電池メーカーです。多結晶シリコン粉末を加工し単結晶シリコンを作り、そこからチップ、モジュール、太陽電池を製造、さらに集中式、分散式発電所の建設まで行っています。

 部門別売上高(2020年12月期)では、太陽電池モジュールが66%、シリコンチップ、単結晶シリコンが28%、太陽光発電所建設、運営サービスが2%、電力販売などが4%。米国、欧州、アジアなどでの海外売上が39%です。2020年12月期は66%増収、62%増益でした。新型コロナ禍の生産への影響は軽微でした。本土に加えグローバルでカーボンニュートラルに向けた取り組みが進んだことで太陽電池に対する需要が拡大、高成長につながりました。新エネルギー自動車の普及に伴い電気スタンドの需要も拡大。電気スタンド用に太陽光発電所の需要が高まると予想します。

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田代尚機(たしろ・なおき)
中国経済エコノミスト、中国株アナリスト。
大和総研勤務当時、1994年から2003年にかけて代表として中国・北京に駐在。その後、内藤証券を経て独立、TS・チャイナ・リサーチを設立。リサーチのほか運用助言も行った後、2020年10月、事業を譲渡。現在は、フリーランスとしてマスコミ、金融機関などに情報提供を行う。投資メディア「トレード・トレード」でブログ「中国株なら俺に聞け!!」、「マネーポストWEB」で「田代尚機のチャイナ・リサーチ」などを連載中。