感染再拡大で4月解散の可能性は低下

 ところで、衆院の解散総選挙は、いつになるのでしょう? 現在の衆院が任期満了となるのは、今年の10月21日です。もし衆院が解散されないまま4年の任期満了となれば、三木武夫内閣だった1976年以来の珍事となります。普通に考えれば、任期満了となる前に解散総選挙が実施されるはずです。というのは、菅首相の任期満了【注】がその直前の9月30日だからです。

【注】菅首相の任期満了
菅首相は、健康問題を理由に辞任した安倍元首相に代わり、昨年9月、主要派閥の支持を集めて自民党総裁選に勝利して、首相の座に就きました。したがって、菅首相の任期は、安倍首相が残した任期、今年の9月30日までです。

 菅首相は、9月の総裁選に勝利して首相に再任されることを狙っています。総裁選に勝つためには、事前に衆院の解散総選挙をやり、自民党が勝利することで国民の信を得た首相となることが必要と考えられます。

 ただし、解散をいつにするかは、首相の専権事項なので、首相の心の内を推し量るしかありません。コロナが収束に向かっていれば、日米首脳会談をやり遂げた後の4月解散が有力と見られていました。ところが、コロナは収束どころか再び感染が急拡大しています。感染力の強い変異種が流行している可能性もあり、収束はほど遠い、との印象が強まっています。4月の解散も可能性が低下しました。