米国高配当株3:ホーリーフロンティア(HFC)

 米国の大手石油精製企業です。

 精製された原油は、子会社によりガソリン、ディーゼル、ジェット燃料、アスファルト、重質製品、および特殊潤滑剤製品の製造および販売が行われています。

 時価総額は56億ドルで、日本円で約6,200億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は、石油精製事業(Refining)で、売り上げの約97%を占めます。残りが特殊潤滑油製品(Lubricants and Specialty Products)となります(2020年12月期)。

出所:筆者作成

 石油精製事業では、原油の購入と精製、ガソリン、ディーゼル燃料、ジェット燃料などの精製製品の卸売りなどを展開しています。今後は再生可能エネルギー事業を拡大していくことで、中心事業である石油燃料精製から多様化することを計画しています。

 既存の製油所のユーティリティーとインフラを活用することで、再生可能ディーゼルを年間2億ガロン以上生産することを計画しています。

競合他社

 競合他社として、米国およびミシシッピ州東部最大の精製、マーケティング、小売および輸送事業に従事するマラソン・ペトロリアム(MPC)、カナダを拠点とする統合エネルギー会社であるサンコア・エナジー(SU)などが見受けられます。

株式の注目ポイント

 株価は昨年2020年の高値を超えていませんが、配当は昨年と同じ水準を維持しています。

 ガソリンとディーゼルの需要が低迷したことによる業績の悪化を受けて株価の回復は鈍くなっています。

 一方で、新型コロナウイルス発生前の2018~2019年まで配当利回りは3%を切る水準でしたが、株価が下落したことで現在は3%を超える配当利回りとなっています。

 今後は、ガソリン・ディーゼルの需要回復とESGへの対応によって株価は上下する可能性がありそうです。

業績動向

 2021年2月24日開示の四半期決算ではEPS(1株当たり利益)は市場予想を下回りましたが、売り上げは市場予想を上回りました。しかし決算を受けて株価への影響はほとんどありませんでした。

 利益の減少は、既存製油所の再生可能ディーゼル生産への転換に関連する費用計上も理由の一つとなりました。

 会社側も「今後、COVID-19ワクチンの配布や世界経済のパンデミックからの回復に伴い、輸送用燃料の需要が拡大することが見込まれる」としており、次回2021年5月5日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 今後はESGへの対応が株価を左右する要因の一つとなりそうです。

 もし今後もESGに積極的に取り組むことができれば、大手石油精製企業の中でも株価の回復が早まる可能性があり、逆に対応が遅れればその分、回復が遅くなる可能性があるため、ESGへの取り組みには注意が必要です。

株価動向、配当利回り

配当:1.4ドル
配当利回り:4.04%
株価:34.64ドル(約3,800円)

権利落ち日は5月下旬予定(権利実施は6月中旬予定)です(2021年4月13日時点で未確定。昨年を参照)。
配当は1.4ドル、配当利回りは4.04%、株価は34.64ドルで約3,800円から購入できます(2021年4月12日時点)。
2018年以降の株価最高値は81.65ドル、最安値は17.23ドルです(終値ベース)。