米国高配当株4:ニューウェル・ブランズ(NWL)
傘下に高級筆記具ブランドのParker(パーカー)やWaterman(ウォーターマン)、アウトドア用品などを展開するColeman(コールマン)、Marmot(マーモット)、ベビー用品のGraco(グレコ)、Aprica(アップリカ)など強力なブランドを抱える、世界有数の消費財企業です。
ニューウェル・ブランズの製品は米国の家庭の90%以上で使用されており、売り上げの79%は、そのカテゴリで1位または2位のブランドからのものとなっています。
時価総額は116億ドルで、日本円で約1兆2,800億円となっています。
事業の注目ポイント
ニューウェル・ブランズの事業は子育て支援事業(HOME SOLUTIONS)と学習・生活支援事業(LEARNING&DEVELOPMENT)で売上高の約5割を上げており、続いて商業支援事業(COMMERCIAL SOLUTIONS」、食品・アプライアンス事業(APPLIANCES&COOKWARE)がそれぞれ約2割、「アウトドア・レクリエーション事業(OUTDOOR&RECREATION)」が約1割となっています(2020年12月期)。
売上高の一番大きい学習・生活支援事業ではベビー用品と、事務関連・筆記具などを中心に事業展開しています。
2020年通しては、学習・生活支援事業とアウトドア・レクリエーション事業が2019年末比で売上高が減少しました。事業撤退や事務関連・高級筆記具などの落ち込み、新型コロナによるロックダウンなどの影響を受けたことが売上高減少の要因となりました。
競合他社
競合他社として、総合消費財企業であるスペクトラム・ブランズ・ホールディングス(SPB)、住宅・商業用スペース向け製品を製造するフローリングメーカーであるモホーク・インダストリーズ(MHK)などが見受けられます。
株式の注目ポイント
株価は昨年2020年の高値を超えており、配当は昨年と同じ水準を維持しています。
2016年以降、進めていた非中核事業の売却をはじめとする経営の効率化と、オンラインショッピングへのシフトを行うことで2020年を通しての業績の大幅な悪化を避けることができました。
2021年は売上高も新型コロナ発生前の水準まで回復し、EPS(1株当たり利益)も改善する見通しであると会社側も予想しており、今後の業績の回復による株価の上昇が期待されます。
業績動向
2021年2月12日開示の四半期決算では、売り上げ・EPSともに市場予想を上回りました。
市場予想は上回りましたが、株価はその後下落し、現在は決算発表前の水準を超えて推移しています。
2018年には経営難に陥った際に、政治活動家の資金を受け入れるなど紆余曲折を経ましたが、それから事業再生を行い、業績は順調に回復してきました。
直近でも売り上げ、EPSともにコロナ禍の最悪期からは脱して順調に回復しており、次回2021年5月27日に開示予定の四半期決算において、市場予想を上回ることができるか注目です。
注意点
売上高が大きい学習・生活支援事業での事務関連・高級筆記具などの売上高が、以前のようには戻らない可能性もあり、今後も同社が選択と集中を進めていけるか注目です。
株価動向、配当利回り
配当:0.92ドル
配当利回り:3.36%
株価:27.38ドル(約3,000円)
権利落ち日は5月下旬予定(権利実施は6月中旬予定)です(2021年4月13日時点で未確定。昨年を参照)。
配当は0.92ドル、配当利回りは3.36%、株価は27.38ドルで約3,000円から購入できます(2021年4月12日時点)。
2018年以降の株価最高値は32.26ドル、最安値は10.55ドルです(終値ベース)。