米国高配当株2:インターパブリック・グループ・オブ・カンパニーズ(IPG)

 世界的な広告代理店で、英国のWPP、フランスのピュブリシス、米国のオムニコム・グループと並ぶビッグ4の1社です。傘下には世界100カ国以上で事業展開する、国際広告会社のマッキャンエリクソンや、世界80カ国で事業展開するマーケティングコミュニケーション会社のFCB(Foote、Cone&Belding)、マレンロウなどがあります。

 時価総額は117億ドルで、日本円で約1兆2,900億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は、広告代理店事業(IAN、Integrated Agency Networks)で売り上げの約9割を占めます。続いて、IPG DXTRAによるデータ分析・マーケティング事業となります(2020年12月期)。

 また地域別売上高は、米国が約6割で、続いてヨーロッパ、アジア太平洋、英国、ラテンアメリカと続きます。

 広告代理店事業では世界各国で大規模な広告およびマーケティングソリューションを展開し、IPG DXTRAでは27のマーケティング専門ブランドのグローバルな集合体で、傘下企業によりPRコンサルなどさまざまな事業を展開しています。

出所:筆者作成

競合他社

 IPGと同様に同社は広告、マーケティングおよび企業通信サービスを提供しているオムニコム・グループ(OMC)などが見受けられます。

株式の注目ポイント

 株価は既に昨年2020年の高値を超えており、配当は9年連続で増配中です。

 コロナ過の中で業績にも影響が出ましたが、リストラを積極的に行うなどの取り組みにより、他の広告代理店世界ビッグ4と比較するといち早く株価は回復しています。また、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)にも選出されており、ESG(環境・社会・企業統治)への取り組み姿勢が評価されていることも株価上昇の要因の一つかもしれません。

業績動向

 2021年2月10日に発表した四半期決算では、EPS(1株当たり利益)は市場予想を上回りましたが、売り上げは市場予想を下回りました。決算を受けて株価は一時的に下落しましたが、その後株価は回復し既に決算前の水準を超えています。

 最近は、「環境」や「人種」などESGに関連する広告が多く、コロナワクチンの広がりとともに、世の中の企業の体力が回復することで、インターパブリックグループのサービスを利用する企業も増えてくるかもしれません。

 次回決算は4月23日開示予定ですが、EPS同様に売り上げも市場予想を上回る決算を出せるか注目です。

注意点

 米国以外の地域の売り上げ減少幅が大きくなっています。

 世界中で事業を展開しているためそれぞれの地域の影響を受けやすく、例えば欧州のロックダウンの長期化などによってはさらに業績悪化の可能性があり注意が必要です。

株価動向、配当利回り

配当:1.08ドル
配当利回り:3.60%
株価:29.99ドル(約3,300円)

権利落ち日は5月下旬予定(権利実施は6月中旬予定)です(2021年4月13日時点で未確定。昨年を参照)。
配当は1.08ドル、配当利回りは3.60%、株価は29.99ドルで約3,300円から購入できます(2021年4月12日時点)。
2018年以降の株価最高値は29.99ドル、最安値は12.52ドルです(終値ベース)。※高値更新注意です。