鈍化する四半期EPS成長率

 次に「S&P500採用企業の四半期EPSが、前年同期比でどれだけ成長したか?」ですが、2017年の第1四半期ならびに第2四半期が2ケタ台の成長を見たのに対し、今期は+2.4%の成長にとどまると予想されています。

 この予想に対し、先週までの実績は+1.7%で推移しています。

 今年、米国株は堅調に推移してきましたが、その背景には、上のチャートに見るような健全なEPS成長があったわけです。それが今は「エアポケット」に直面しているわけです。

 

米国の株式市場は割高

 さて、来年のS&P500指数のEPSは146.09と予想されています。

 すると向こう12カ月のEPS(143.1)に基づいたPER(株価収益率)は、ちょうど18倍になります。

 過去10年のS&P500の平均PERは14倍、過去20年の平均は16倍であることを考えると、現在の米国株式のバリュエーションは割高です。

 ただドットコム・ブームの頃は、1997年から2000年にかけて、今よりも高いPERがずっと続いたケースもあります。当時は20倍を超えるPERが常態化していました。

 そのことを考えると「18倍のPERだから、米国株はすぐに売りだ!」という風には断言できないと思います。