密になってはいけない商品市場の過去の常識、3連発(金、プラチナ、原油)

 過去に執着しないことは、人生、そして市場と向き合うために必要だと書きました。ここからは、密になってはいけない、具体的なコモディティ(商品)市場の過去の常識について書きます。

 過去の常識の共通点は、A→Bのように、材料を点で見ることです。以下の、金、プラチナ、原油、いずれもAが起きればBという価格推移になる、というものでしたが、先述のとおり、市場を含む社会全体は、大きく変化したため(しているため)、現在のこれらの市場は、単一の事象で価格推移を説明できるような、単純なものではなくなっています。

図:金・プラチナ・原油市場の過去の常識と現在

出所:筆者作成

 本格的に資産形成を始めてみようと思った時、さまざまな情報を集め始めると思いますが、金(ゴールド)に関する情報を見た時、仮に“有事で金価格が上昇している”という解説を見たとしても、それ(有事)が金相場の全てではない、それ(有事)だけで金相場は動いていない、と認識できるようになればしめたものです。

 金相場には、少なくとも6つ、テーマがあると考えられます。有事はその中の一つに過ぎません。株との関係も、ドルとの関係も、そうです。短中期的(数秒から数カ月)には(1)から(3)の3つが、長期的(数カ月から数十年間)には(4)から(6)の3つが影響し、金価格が決まっていると考えてよいと思います。

図:金相場の6つのテーマ

出所:筆者作成