TOPIXは弱含みの印象強まる

 ただし、このまま上昇基調を強めて、図1の上値ラインまでいけるかといえば微妙かもしれません。というのも、ふたつの「気掛かりな点」を克服する必要があるからです。

 そのひとつめはTOPIX(東証株価指数)の動きです。

■(図2)TOPIX(日足)とMACD(2021年4月9日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週末9日(金)のTOPIX終値は1,959pでした。日経平均と同様に、前週末終値(1,971p)から小幅に下落しています。週足ベースでは2週連続の下落です。

 図1の日経平均は5日移動平均線が意識されていましたが、TOPIXについては25日移動平均線の攻防が続いているほか、5日移動平均線による25日移動平均線の下抜けクロス(デッドクロス)も実現しそうになっています。下段のMACDも下向きとなっているため、日足ベースでは弱含みの印象を強めています。

 前回のレポートでは、「日足ベースのTOPIXが弱くなっているものの、週足ベースではまだ上昇基調を維持している」と指摘していましたが、実は週足ベースも少し雲行きが怪しくなってきました。

■(図3)TOPIX(週足)の平均足とMACD(2021年4月9日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図3は、週足TOPIXの平均足とMACDを表したものです。

 平均足の色の変化とMACDのクロスの二つのサインの組み合わせでトレンド転換を探るわけですが、先週末時点では、平均足が陰転し、MACDがシグナルを下抜けしそうな状況となっています。

 もちろん、昨年10月末に、平均足の陰転とMACDのクロスが実現してトレンド転換のサインが出現したものの、早期に打ち消した経緯がありますので、今後の企業決算の動向によっては持ち直す展開も想定できます。

 とはいえ、当時は株価と13週・26週移動平均線との距離が近く、26週移動平均線がサポートとなったのですが、足元は、株価と13週・26週移動平均線との距離が離れているため、トレンド転換のサインが出現した後に、株価が移動平均線まで調整する可能性があります。