中国株個別銘柄は何が選ばれている?

 次に、個別銘柄についても見ていきます。

 冒頭のランキングでは、中国のスマホ大手の小米集団(シャオミ:01810)や、ソフトバンクGが出資していることで日本でも有名となった阿里巴巴集団(アリババ:09988)、SNSやゲーム大手の騰訊控股(テンセント:00700)、民間の自動車大手の吉利汽車(00175)、生活関連のスマホアプリを手掛ける美団点評(メイトゥアン:03690)がランクインしています。

 いずれも、中国国内の巨大な消費市場で活躍している企業が中心ですが、この視点が個別銘柄を選択する際の基本となります。

 その他にも、米国と競争している先端技術の分野などは国の支援を受けていることもあり、注目度は高いです。

中国のBAT(バット)企業とは?

 また、中国の消費市場は、ネットやスマホを通じて成長を続けていますが、いわゆる「BAT(バット)」と呼ばれる、百度(Baidu:バイドゥ)、阿里巴巴集団(Alibaba:アリババ)、騰訊控股(Tencent:テンセント)を中心に据えると整理しやすいといえます。

■図:BATのビジネス・サービスの拡大の例(スマホアプリ)

出所:筆者作成

 バイドゥが検索サイト、アリババがEコマース、テンセントがSNS(交流サイト)といった具合に、それぞれが持つ基盤のビジネスから、あらゆるビジネスやサービスへと守備範囲を広げ、多くの企業に出資を行っています。

 例えば、中国のオンライン小売市場は、淘宝(タオバオ)と天猫(Tモール)を傘下に持つアリババがトップシェアですが、それに続くJD.com(香港:09618米国:JD)はテンセントが出資するグループ企業ですし、2月5日に香港市場に上場した、動画アプリを手掛ける快手科技(01024)もバイドゥとテンセントが出資を行っています。

中国版テスラ、TikTokの投資先は?

 この他にも、「中国版テスラ」と呼ばれている、新興EV(電気自動車)企業の上海蔚来汽車(米国:NIO)もテンセントが出資していますし、まだ上場はしていませんが、「TikTok(ティックトック)」でおなじみの北京字節跳動科技(バイトダンス)もアリババ傘下の企業です。さらに、ランキングに入っている美団点評(メイトゥアン:03690)もテンセントの出資を受けています。

 ちなみに、テンセントの投資先は700社を超え、うち約70社が上場し、150以上のユニコーンを抱えるといわれており、注目の中国企業の多くがBATに関わっています。すでに中国消費市場で確固たる地位を築いているBATの支援や関係を持っている企業であれば、それだけで人気化しやすい傾向があります。

 もちろん、業績の推移などもチェックする必要がありますが、株主構成に注目してみるのも銘柄を選ぶ際のヒントになりそうです。

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