成績優秀な中国株ETFはどれ?
中国株ETFをこうして眺めてみると、どれを選べば良いのか迷ってしまいますが、実際に主な銘柄のパフォーマンスを比較してみると、かなりの違いがあります。
下の図は、2019年末を100として、2020年の各ETFの値動きの推移を表したものです。
■図:主なETFの2020年の値動き比較
米S&P500を上回るパフォーマンスの中国株ETF
米S&P500と比べてパフォーマンスが上回っているものから、そうでないものまで多種多様です。
特に、2020年のパフォーマンスがよかったのは、「クラウドコンピューティング指数」に連動するグローバルX クラウドコンピューティング ETF(香港:02826)と、「チャイナバイオテック指数」に連動するグローバルX チャイナバイオテック ETF(香港:02820)のテーマ型ETFです。
そして、これに続くのが、「国有企業を除く中国企業指数」に連動するウィズダムツリー中国株ニューエコノミーファンド(米国:CXSE)と、「ChiNext100」に連動するヴァンエック・ベクトル中国AMC中小企業・創業板ETF(米国:CNXT)です。
どちらも株価指数連動型のETFですが、前者は言葉の通り、経営効率の悪さが問題視されている国有企業(オールドエコノミー銘柄)を除外した指数で最近注目を集めており、こちらのレポートでも取り上げられています。
ChiNext100とは?
また、「ChiNext100」とは、深セン市場の中小企業ボード(SME)と、ChiNextボードに上場している銘柄の中から選ばれた100銘柄が指数の対象となっています。この両ETF銘柄は、「中国の有望企業の成長に分散投資したい」というニーズに向いているといえます。
そして、先ほども紹介したMSCIチャイナ・インデックス型ETFのパフォーマンスも米S&P500を上回っています。
香港ハンセン指数型ETFはイマイチ?
その一方で、香港ハンセン指数型ETFのパフォーマンスはイマイチに見えます。
民主派が除外されつつある香港情勢への警戒といった政治的な理由も影響していますが、金融系企業のウエートが高いというハンセン指数の構成銘柄の一面が出ている可能性があります。
とはいえ、昨年(2020年)は、ランキングにも顔を出している阿里巴巴集団(アリババ:09988) や、小米集団(シャオミ:01810) 、美団点評(メイトゥアン:03690) などの銘柄が相次いで指数に採用されており、ハンセン指数の構成が変わってきています。