値上がり率ランキング(5銘柄)

1 CAICA(2315・ジャスダック)

 ビットコインの急騰で仮想通貨関連株が盛り上がるなか、立て続けに投入された材料が刺激になりながら、株価は前月比で3倍以上に。1月末の株価が19円の超低位株、値幅制限いっぱいまで上がった場合の上昇率も大きく出ます。ちなみに、発行済み株数は6億株以上あります。

 1日には、子会社のeワラント証券が日本初の暗号資産を対象とする個人向け証券化商品の取り扱いを開始したと発表(翌日26%高)。19日の取引時間中に、同社の発行する暗号資産の「CAICAコイン」が暗号資産交換所FineBoxに上場したと発表(当日20%高)。25日には、フィスコとの資本業務提携の強化を発表(翌日3.5%高)。材料としての強度、業績への貢献度などは不明ですが、同社の提示する材料に手放しで反応しました。

2 INCLUSIVE(7078・東証マザーズ)

“ホリエモン”の登場が、想像を絶する株価反応につながりました。同社は15日、「堀江貴文のブログでは言えない話」を運営するSNSメールマガジンを買収すると発表。全株式を取得することで、堀江氏の人気ブログの業績寄与が生じます。同社の今期予想は営業損益が200万円黒字、最終損益が1,100万円赤字…堀江氏のブログ分が乗れば、利益額が小さいだけに上方修正が確実、そんな見方が織り込まれました。

 そして、今回の買収資金は、堀江氏に対する第三者割当増資で約2億円を調達するようです。結果、同社の第2位株主に堀江氏が台頭するため、ホリエモン大株主銘柄ということ。何らかの“フォース”を感じ取った投資家が多かったのか、発表翌日16日から2日連続でストップ高買い気配。18日に上限のみ制限値幅4倍拡大措置が適用されるなど、ライブドアショック前のネット株をほうふつとさせる盛り上がりに…。超小型株だったこともあり、発表後わずか7営業日で、発表前株価の最大4倍超に。

3 ベクター(2656・ジャスダック)

 超小型株が電子署名サービスの開始を発表したことに短期筋が殺到。電子署名サービスといえば、弁護士コム、GMOグローバルサインが先行していますが、両社とも昨年株価が大きく上昇した経緯もあり…イケイケドンドンといったムードで成り行き買いが集まり、発表翌日から5日連続でストップ高に。発表直前の株価は201円でしたが、6営業日後の25日に付けた高値は846円でした(瞬間最大4.2倍!)。

 16日に同社では、月額固定料金0円の電子署名サービス「みんなの電子署名」の提供を開始したと発表。これまで一般的だったのは無料お試しプランですが、同社サービスは全機能を期間無制限・無料で利用できるそうです。

4 和心(9271・東証マザーズ)

 経済正常化期待が高まるなか、東証1部から新興株市場、REIT(リート:不動産投資信託)市場まで、コロナ収束後の業績回復が期待される銘柄に買いが向かいました。そうしたアフターコロナ株でも、時価総額が最小の部類だったのが同社株。前月末時点の時価総額は約12億円でした。アフターコロナ株の出遅れ探しが広がるなかで、火が付いたのは後発の24日。この日突然ストップ高になると、月末26日まで3日連続のストップ高…。

 同社は、京都をメインに着物の着付・レンタルを手掛けるほか、和雑貨の製造販売も行っています。コロナ前は、着物の着付・レンタルの3割がインバウンド向けだったようです。インバウンドの消滅や店舗休業などで大幅減収に見舞われ、前期は大幅赤字に。業績回復には時間がかかりそうですが、材料株の値動きにはそんな理屈など関係ないようで…。

5 ライトアップ(6580・東証マザーズ)

 好材料のオンパレードで、上場来高値を更新。12日に今期業績の上方修正を発表、営業利益は従来予想の4億500万円を大幅に上回る5億6,900万円~6億4,100万円に増額しました。DXソリューション事業が好調だったことが増額の理由で、コロナ禍の追い風を受けたといえます。

 コロナ禍の追い風分は“特需”と見なされ、その後の反動に警戒されてか、決算後に好感される動きが限られる傾向もありました。その中で同社株が一味違ったのは、増額修正に加えて、3月末の株主を対象とした1対2の株式分割、株主優待の新設も同時に発表したため。さらに決算の後17日には、助成金・補助金自動診断システムでNECと業務提携すると発表。決算に反応して一段上がった株価に、NECの材料が弾みを付ける格好となりました。