3月株主優待 人気ランキング

順位 コード 銘柄名 優待品例 優待発生金額※1
9432 NTT 自社グループポイント 18,100
2 8591 オリックス カタログギフトなど 298,600
3 9202 ANAHD 運賃・料金割引券など 321,700
4 9433 KDDI カタログギフト 451,000
5 9831 ヤマダHD 買い物割引券 42,700
6 9201 日本航空 運賃割引券など 275,300
7 4661 オリエンタルランド 1デーパスポート 2,649,000
8 5401 日本製鉄 工場見学会など 3,428,000
9 7267 ホンダ カレンダーなど 172,100
10 9104 商船三井 フェリー運賃割引券など 521,500
※1 優待発生金額 =2024年2月15日終値の株価 × 優待獲得最低株数で計算した金額です。

最新の情報は、楽天証券の「株主優待検索」>>

このランキングは楽天証券で優待を保有されているお客様の人数が2024年2月9日時点で多い順番です。
この記事は銘柄を推奨するものではありません。

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2024年2月15日時点の終値や数値を、楽天証券Webサイトから採取して記載しています。
配当利回りは、楽天証券HPの会員ログイン後の銘柄ページより採用しておりますが、市況により変動するため、必ずご自身でご確認くださいませ。

3月の株主優待銘柄は733銘柄!

 2024年3月優待は月末が土日のため、権利付き最終日が3月27日(水)、権利落ち日が3月28日(木)となり、権利確定日が3月29日(金)になります。

 3月27日(水)の取引時間中に優待株を買って、翌28日(木)の寄り付き(取引開始)まで持ち越すと、優待の権利を獲得できます。

 年度末である3月末には、株主優待制度を実施している非常に多くの企業も決算期末を迎えます。そのため、全部で1,438銘柄ある優待株のうち、半数以上の773銘柄の優待権利付き最終日が集中します。

※楽天証券 株主優待検索より

 株主配当金の権利付き最終日でもある3月27日(水)や配当権利落ち日の28日(木)にかけては、「配当取り」といわれる買いや機関投資家による決算前の「益出し」の売り、株主配当の分だけ株価が下落する「配当落ち」で、例年、大きな値動きが生まれるので注意が必要です。

 最近の人気優待株には今回の3月優待株の1位NTT、4位KDDI、8位日本製鉄のように、高額な株主配当金がもらえる高配当利回りの大型株が数多くランクインするようになりました。

 3月優待株は数が多いだけあって、ランク外には家計の節約や日頃の食事、外食、買い物に役立つお得な優待株もたくさんあるので以下に紹介します。

  • 関西圏で家電量販店を展開する上新電機(3月末に100株で店舗・Webで使える優待券2,200円分、9月末には1株以上で5,000円分)
  • 飲食チェーン・コロワイドの子会社で「ステーキ宮」や「海鮮アトム」を運営するアトム(3月・9月末に100株で2,000円相当の優待ポイント。コロワイド、カッパ・クリエイトの店舗でも利用可能)
  • 百貨店の三越伊勢丹ホールディングス(3月末に100株以上で買い物10%割引の優待カード。利用限度額は年間30万円まで)
  • うどんの「丸亀製麺」などを展開するトリドールホールディングス(3月・9月末に100株で3,000円分の飲食などに使える優待券)
  • JR東日本(3月末に100株で鉄道の運賃・料金割引券1枚。3年以上継続保有で1枚追加のほか、ECサイト「JRE MALL」で1,000円以上買い物すると使える500円クーポンなど同社グループ施設の各種サービス券)など、運賃割引券優待などがあるJR各社
  • 東海圏でLPガスや水宅配事業などを手掛けるTOKAIホールディングス(3月・9月末に100株で「富士の天然水さらり」12本やクオカード500円分など計5コースから選べる)
  • 製紙メーカー大手の日本製紙(3月末に100株以上で、トイレットペーパー、ティッシュなど家庭用ペーパー製品詰め合わせセット)
  • 「スシロー」や「京樽」を展開するFOOD&LIFE COMPANIES(3月・9月末に100株で1,100円分の飲食優待割引券)

新NISA普及で人気優待株の傾向に変化!?

 2024年からは非課税で投資できる限度額が最大1,800万円に大幅拡大された新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)がスタートしました。

 新NISAの成長投資枠(年間投資枠の上限240万円、一生涯の非課税保有限度額1,200万円)を使えば、個別の優待株に非課税投資することも可能です。

 しかし、新NISAの非課税投資枠を使って優待株に投資するときに気をつけなければいけないことがあります。

 それは、優待株に投資して得られる株主優待品には、たとえ通常の課税口座(特定口座や一般口座)を使って投資しても税金は一銭も課税されないことです。

 新NISA口座で投資して非課税になるのは、株主配当金や株の値上がり益にかかる20.315%の税金です。

 つまり、新NISAを使って優待株に投資するときは、優待だけでなく、高利回りの株主配当金がもらえたり、株価が上昇して値上がり益が得られたりしそうな、好業績で財務も安定した企業の株を選んだほうがいいということ。

 優待内容が魅力的でも、株主配当金が微々たるものだったり、業績面から見て株価の上昇に期待できなかったりする優待株を買って、新NISAの貴重な非課税投資枠を使うのはもったいない、といえるでしょう。

 その影響は早速、今回2024年3月の人気優待株のランキングにも出ています。

 昨年2023年3月には9位だったNTTが株価の上昇期待や今期(2024年3月期)の予想配当利回りが2.77%に達する高配当株として人気が高まり、今回はランキング1位に急浮上しています。

 新NISAの成長投資枠を使った優待株投資がますます普及すると、優待内容自体が魅力的な優待株というより、NTTのような高配当・好業績で、株主優待に関してはあくまで「プラスアルファのおまけ」として導入しているような企業の人気が高まり、個人投資家の買いで株価も上昇しやすくなる可能性があります。

 今後は、新NISAスタートで人気優待株の傾向に変化が生まれていることも意識しながら、値上がり益や高額の株主配当金も期待できる優待株を厳選する必要があるかもしれません。

1位:NTT(9432)

権利付き最終月:3月[貸借銘柄]
株価:181円(2024年2月15日終値)
配当利回り:2.65%
優待発生株数:100株以上
優待内容:「dポイント付与」
その他条件:継続保有の株主のみに贈呈。継続保有2年以上3年未満の株主には1,500ポイント、継続保有5年以上6年未満には3,000ポイント
最新情報は企業HPからご確認ください

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 1年で一番銘柄数の多い3月優待株の人気1位に急上昇したのは、携帯キャリア「NTTドコモ」などを展開する通信会社国内最大手のNTT(日本電信電話)。

 同社の優待は保有期間に応じた変則優待です。

 3月末に100株以上を2年以上3年未満保有している株主に同社の電子マネー「dポイント」1,500ポイント、5年以上6年未満保有している株主に3,000ポイントが贈呈されます。

 同じ株主番号で得られる最大ポイント数は4,500ポイントで、例えば、その後、新たに同じ証券口座で同社の株を追加購入しても、それ以上の贈呈はありません。

 ただし、同社は2023年7月1日に実施した株式25分割で株価が約180円台に下がり、100株を約1万8,000円台で購入できるようになりました。

 約1万8,000円の少額資金で、贈呈は2~5年以上先になりますが総額4,500円分のdポイントがもらえるお得度の高さも、人気急上昇の理由でしょう。

 同社は主力のNTTドコモの通信単価下げ止まりや解約率低下もあって、今期2024年3月期は過去最高益更新と増配が予想されており、業績は非常に安定しています。

 ただ、株価は2021年から3年以上にわたって急上昇が続き、2021年1月始値から2024年まで実に75%近く上昇しているので高値つかみが少し心配です。

 株価の急上昇にともない、増配にもかかわらず予想配当利回りも2.77%台まで低下しています。

 100株1万8,000円前後から少額購入できるので、高値圏にある株価が少し下がったところで小出しに買い下がって平均購入単価を下げていくのも一つの考え方でしょう。

2位:オリックス(8591)

権利付き最終月:3月[貸借銘柄]
株価:2,986円(2024年2月15日終値)
配当利回り:2.86%
優待発生株数:100株以上
優待内容:100株以上で自社取引先取扱商品等カタログギフト、全株主に株主カード(どちらも2024年3月の株主への贈呈をもって廃止)
その他条件:自社取引先取扱商品等カタログギフトは3年以上継続保有の場合、カタログの内容が異なる。株主カードの提示により、自社グループが提供する各種サービスを割引価格で利用可
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 第2位はリース会社大手で業績好調な高配当株としても知られるオリックス。

 個人投資家に非常に人気の高かった同社の株主優待制度は非常に残念ですが、今回2024年3月末株主に対する優待で最後になります。

 3月末に100株を3年未満保有で、北海道の「切れたらこ&切れ明太子セット」からオリックス・バファローズ野球観戦利用券5,000円分まで100点以上の優待品から選べる「ふるさと優待(Bコース)」が贈呈されます。

 3年以上継続保有していたら優待内容がグレードアップした「Aコース」になります。

 同社の株主優待制度は今回で廃止されてしまいますが、今後は機関投資家からのニーズも高い株主配当を重視した株主還元策に転換する予定です。

 同社の今期2024年3月期はインバウンド(訪日外国人)需要で絶好調の国内ホテル・旅館事業や高騰した保有不動産の売却が貢献し、過去最高益を大幅に更新。

 株主配当も前期比10円近い増配の1株当たり94円を予定しています。

 株価は2023年1月始値から2024年1月終値まで34%超も上昇していますが、いまだ今期の予想配当利回りは3.12%と高い点も魅力です。

 今回は株主優待制度の廃止による個人投資家の利益確定売りで3月28日(木)の優待落ち日に株価が急落する可能性はあります。

 しかし、優待権利落ち後に優待株としてではなく、高配当割安好業績株として押し目買いを狙うのもいいかもしれません。

3位:ANA HD(9202)

権利付き最終月:3月、9月[貸借銘柄]
株価:3,217円(2024年2月15日終値)
配当利回り:ー%
優待発生株数:100株以上
優待内容:100株以上で株主優待番号ご案内書(以下100株ごとに1枚増)、400株以上で4枚(以下200株ごとに1枚増)、1,000株以上で7枚(以下400株ごとに1枚増)、10万株以上で254枚(以下800株ごとに1枚増)、また100株以上で自社グループ優待券1冊
その他条件:株主優待番号ご案内書は国内営業路線を片道1区間株主優待割引運賃で利用可(他航空会社が運行するシェアコード便に一部対象外路線有)、混雑状況により販売座席数に制限有。自社グループ優待券は1冊に以下(1)~(6)の共通優待券18枚、(1)IHG・ANA・ホテルズグループジャパン(「インターコンチネンタル」「ANAクラウンプラザホテル」「ホリデイ・イン」「ホリデイ・イン リゾート」):宿泊(ベストフレキシブル料金の室料のみ20%割引)、レストラン飲食(10%割引)※一部適用除外ホテル有、(2)「ANAトラベラーズ」国内ダイナミックパッケージ割引クーポン(旅行代金によりクーポン額は異なる)、海外ダイナミックパッケージ旅行代金(空港諸税を除く)から2%割引、同パッケージツアー(国内・海外)商品5%割引、(3)ゴルフ場(「武蔵の杜カントリークラブ」)ゴルフプレー料金割引、(4)ゴルフ場(「早来カントリー倶楽部」)ゴルフプレー料金割引、(5)空港売店・免税店(「ANA FESTA」「ANA DUTY FREE SHOP」)10%割引、(6)株主限定通販商品、<有効期間・発行時期>3月株主:6~11月末(5月末発行)、9月株主:12~翌年5月末(11月末発行)
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 第3位は航空会社最大手のANAホールディングス。

 3月・9月末に100株保有で、コードシェア便も含むANA国内全路線の片道1区間が株主優待割引運賃で利用できる株主優待番号が1枚贈呈されます。

 株主優待割引運賃は通常、「ANA FLEX D」の半額で、12月1日~1月3日の年末年始や3月のピーク時には少し高額なピーク料金が適用されます。

 その他、提携ホテル宿泊代金の10%以上割引、空港内売店・免税店での買い物10%割引などの特典もあります。

 コロナ禍による航空需要の激減で業績不振が続いてきた同社ですが、今期2024年3月期はインバウンド需要もあって国内線が絶好調で大幅増益が見込まれています。

 長らく無配の続いた株主配当も1株当たり30円の復配予定。

 海外線は需要が回復し過ぎて、整備費用などがかさみ、今後も燃料費の高騰が逆風になりますが、株価も2022年3月安値2,150円から3,200円台まで回復。

 コロナ禍でも同社の業績回復を信じて長期保有し続けてきた投資家には大変喜ばしい状況といえるでしょう。

4位:KDDI(9433)

権利付き最終月:3月[貸借銘柄]
株価:4,510円(2024年2月15日終値)
配当利回り:2.98%
優待発生株数:100株以上
優待内容:100株以上で3,000円相当、1,000株以上で5,000円相当のカタログギフト
その他条件:5年以上継続保有の場合100株以上1,000株未満の株主には5,000円相当、1,000株以上は1万円相当
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 第4位は携帯キャリア「au」などを展開する通信会社国内2位のKDDI。

 3月末に100株保有で、「山野井ロースハムとソーセージセット」「二年熟成塩漬け鮭 焼きほぐし」など全国のグルメ商品から1点選べるカタログギフト3,000円相当が贈呈されます。

 継続保有期間が5年以上になると5,000円相当に増額されます。

 同社は高価格帯の携帯新プランの加入増で今期2024年3月期に続いて、2025年3月期も増収増益の最高益更新が濃厚です。

 ここ数年は毎年5~10円の増配が続いており、今期の1株当たりの予想配当額は140円、予想配当利回りも3.13%に達し、最近の株価は何度も上場来高値を更新しています。

 5年以上の継続保有で優待グレードアップを狙った長期投資で、配当や優待だけでなく、株価のさらなる上昇に期待したい銘柄候補としては最適といえるかもしれません。

5位:ヤマダHD(9831)

権利付き最終月:3月、9月[貸借銘柄]
株価:427円(2024年2月15日終値)
配当利回り:2.78%
優待発生株数:100株以上
優待内容:3月のみ、100株以上で1枚、500株以上で4枚、1,000株以上で10枚、1万株以上で50枚の優待割引券(500円)。9月のみ、100株以上で2枚、500株以上で6枚、1,000株以上で10枚、1万株以上で50枚の優待割引券(500円)
その他条件:合計1,000円(税込)以上の買い物につき1,000円ごとに1枚利用可(一部対象外有、他の値引き券との併用不可)
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 第5位は家電量販店の他、住宅リフォーム事業も手掛けるヤマダホールディングス。

 3月末に100株保有で同社の店舗で利用できる買い物券500円分、9月末株主には1,000円分が贈呈され、1,000円以上の買い物につき500円券1枚が利用可能です。

「ヤマダウェブコム」など通信販売には利用できません。

 同社は2023年夏の猛暑でエアコン販売が好調だったこともあり、今期2024年3月期はようやく増収増益に転換。

 家具インテリアや生活雑貨も販売する新業態「LIFE SELECT」事業も好調で、その収益が本格的に寄与する来期2025年3月期も小幅の増収と営業増益が続きそうです。

 株価は400円前後を底値に横ばいで推移しており、新たな業績成長要因が育てば本格的な回復が見込めるかもしれません。