6位:日本航空(9201)

権利付き最終月:3月、9月[貸借銘柄]
株価:2,753円(2024年2月15日終値)
配当利回り:0.91%
優待発生株数:100株以上
優待内容:3月のみ、100株以上で1枚、300株以上で2枚、500株以上で3枚、700株以上で4枚、900株以上で5枚、1,000株以上で5枚(以下1,000株以上保有の場合、500株ごとに1枚増)、10万株以上で203枚(以下10万株以上保有の場合、1,000株ごとに1枚増)の株主割引券。9月のみ、200株以上で1枚、400株以上で2枚、600株以上で3枚、800株以上で4枚、1,000株以上で5枚(以下1,000株以上保有の場合、500株ごとに1枚増)、10万株以上で203枚(以下10万株以上保有の場合、1,000株ごとに1枚増)の株主割引券。100株以上で各2枚(3月のみ)、200株以上で各2枚(3月・9月)の旅行商品割引券(2~7%割引)
その他条件:株主割引券は3年以上継続保有(株主名簿に同一株主番号で連続7回以上記載)の場合、300株以上1,000株未満の株主には1枚、1,000株以上1万株未満は2枚、1万株以上は3枚追加。JAL、JAC、JTA、RACが運航する国内線全路線対象、普通席大人普通運賃(小児の場合は普通席小児普通運賃)1名分の片道1区間が50%割引。有効期間は、3月株主は6月1日~翌年11月30日、9月株主は12月1日~翌々年5月31日。旅行商品割引券(2~7%割引)は「JALパック」ツアーで利用可(一部除外商品有)、<発行時期>3月株主:5月、9月株主:11月
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 第6位は航空会社大手の日本航空。

 3月末に100株保有で国内線50%割引券1枚が贈呈されます。

 200株保有だと3月・9月末に1枚ずつに増えます。

 ANAHDに比べて、もらえる国内航空運賃割引券が少ないため、人気が5位と低くなっていますが、JAL便しか就航していない路線もあるため、ニーズの高い優待です。

 その他、3月末に100株保有の場合、JALパックツアーなど旅行商品が2~7%割引になる割引券2枚が年1回、5月に贈られます。

 年明け早々の2024年1月2日には羽田空港で同社の国内線旅客機が海上保安庁の航空機と衝突・炎上する大事故が発生しましたが、乗務員の適切な誘導で同旅客機からの死者はゼロになるなど、同社の業績に対する影響はなさそうです。

 今期2024年3月期は1株当たり35円も大幅増配の株主配当60円を予定し、予想配当利回りは2.16%と、ANAHDの0.92%を超えている点も魅力といえるでしょう。

 来期2025年3月期も国際線の需要拡大による増収増益が濃厚で、2023年以降、株価上昇率で負けていたライバルANAHD以上の株価の戻りに期待できるかもしれません。

7位:オリエンタルランド(4661)

権利付き最終月:3月、9月[貸借銘柄]
株価:5,298円(2024年2月15日終値)
配当利回り:0.15%
優待発生株数:500株以上
優待内容:500株以上で1枚(3月のみ)、2,000株以上で1枚、4,000株以上で2枚、6,000株以上で3枚、8,000株以上で4枚、1万株以上で5枚、1万2,000株以上で6枚の1デーパスポート
その他条件:「東京ディズニーランド」または「東京ディズニーシー」いずれかで利用可。9月のみ2023年9月より起算して、100株以上を3年以上継続保有(3月・9月の株主名簿に連続7回以上記載)の場合1枚追加
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 第7位は「東京ディズニーランド」を運営するオリエンタルランド。

 同社は2023年4月に1株を5株に株式分割して、100株約52.9万円から投資できるようになったことで人気がアップしています。

 株主優待制度の創成期から人気の高い同社の優待は、東京ディズニーランドまたは東京ディズニーシーの1デーパスポート。

 3月末に500株(投資金額約265万円)保有で1デーパスポートが1枚贈呈されます。

 残念ながら100株保有ではすぐには優待がもらえません。

 しかし、2023年9月末以降、100株以上を3年以上継続保有すると、9月末株主(支給は12月)に追加で1枚1デーパスポートがもらえるように長期保有株主向け優待制度が変更されました。

 そのため、100株保有でも、今回2024年3月に新たに100株を購入して2027年9月末以降まで保有すると、2027年12月に1デーパスポート1枚が贈呈されます。

 同社はディズニーランドの入園料の値上げにもかかわらず大挙して押し寄せる訪日客を含めた入園者の増加で業績は絶好調。

 来期2025年3月期も、2024年6月、東京ディズニーシーに本格オープンする新エリア「ファンタジースプリングス」効果もあって業績拡大、そして株価の史上最高値更新が続きそうです。

 100株保有でも3年以上継続保有すれば1デーパスポート1枚が贈呈されるので、3年以上の長期保有覚悟で購入すれば、3年後には優待と株価の値上がり益という「ハッピーエンド」をダブルで得られる可能性が高いかもしれません。

8位:日本製鉄(5401)

権利付き最終月:3月、9月[貸借銘柄]
株価:3,428円(2024年2月15日終値)
配当利回り:5.26%
優待発生株数:1,000株以上
優待内容:1,000株以上で抽選で経営概況説明会招待(3月のみ)、抽選で工場見学会招待、5,000株以上で抽選で「鹿島アントラーズ」試合観戦招待、「紀尾井ホール」演奏会招待
その他条件:要申し込み
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 第8位は鉄鋼会社国内最大手の日本製鉄。

 同社の優待は1,000株(投資金額約342万8,000円)以上保有で、3月・9月末株主に工場見学会、3月末株主に経営概況説明会への招待(抽選)です。

 優待取得のハードルが非常に高く、優待内容もそれほど魅力的ではありません。

 これまで、この「株主優待人気ランキング」では優待内容に関して魅力的ではない優待株は独自の判断でランキングから除外してきました。

 しかし、新NISAの開始などもあり、高配当利回りで好業績な優待株を個人投資家が新NISA口座経由で投資するケースも増えているため、今回初めて人気銘柄として紹介します。

 日本製鉄の魅力は優待というより、今期の予想配当利回りが年率4.50%に達する高額な株主配当金です。

 同社の2024年3月期は、中国など海外の鉄鋼需要の落ち込みもあって増収減益・減配予想。

 しかし、同社の解散価値に対する株価の倍率を示したPBR(株価純資産倍率)は0.7倍前後と1倍を切っており、同社が今後、さらなる株主還元策を行うのではないかという根強い期待感で株価は上昇含みです。

 というのも、2023年3月末以降、東京証券取引所が、PBR1倍以下で株価を割安なまま放置している上場企業に対して、積極的な株主還元策を行って株価を引き上げる努力をするよう要請しているからです。

 そういう意味では、今後の積極的な株主還元策の発表とそれにともなう株価上昇に期待した純粋な投資目的で、新NISA口座などを使って購入したい銘柄候補といえるでしょう。

9位:ホンダ(7267)

権利付き最終月:3月[貸借銘柄]
株価:1,721円(2024年2月15日終値)
配当利回り:2.35%
優待発生株数:100株以上
優待内容:100株以上でオリジナルカレンダー
その他条件:希望者に限る。1年以上継続保有の場合、抽選でレース、自社イベント「Enjoy Honda」招待。3年以上継続保有の場合、抽選で事業所見学会、「HondaJet」見学会招待
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 第9位は自動車メーカーのホンダ。

 3月末に100株以上保有で希望者全員にHondaカレンダーが贈呈されます。

 また保有継続年数1年以上で、「全日本スーパーフォーミュラ選手権」(鈴鹿サーキット)への招待(募集人数1,000名)や例年10月開催の「Enjoy Honda」イベントの入場券・会場内で利用可能な金券(募集人数600名)贈呈の抽選にも参加できます。

 3年以上継続保有すると、事業所やHondaJetの見学会に参加できる抽選権も贈られます。

 同社は円安の進行や絶好調な二輪のアジア販売が貢献して、今期2023年4-12月期の営業利益が1兆円規模に到達。16年ぶりに最高益を更新するなど、業績は好調そのものです。

 株価も2023年の1年間で前年比45.1%の上昇、今年2024年に入ってからも2月9日終値時点で前年比16.2%上昇するなど、史上最高値圏で推移しています。

 にもかかわらず、今期の予想配当利回りは3.40%。PBRは0.7倍以下と非常に割安な水準で、さらなる株主還元策に期待できそうです。

 ホンダや日産自動車(同社の新車購入前に100株以上保有している株主に対して、株主と株主の紹介を受けて新車を購入した客それぞれにデジタルカタログギフト5,000円分を贈呈する株主優待を実施)など、自動車株の中には優待はあくまで「おまけ」として、株価の値上がり益や株主配当金目的で長期投資したい3月優待株も多いです。

10位:商船三井(9104)

権利付き最終月:3月、9月[貸借銘柄]
株価:5,215円(2024年2月15日終値)
配当利回り:10.79%
優待発生株数:100株以上
優待内容:100株以上で2枚、1,500株以上で4枚、3,000株以上で6枚の自社グループクルーズ優待券。3月のみ、300株以上で3,000円相当のクルーズ船・フェリー寄港地にちなんだ地域名産品など。9月のみ、100株以上で1枚、1,500株以上で2枚、3,000株以上で3枚の自社グループフェリーサービス共通クーポン券(1枚5,000円)
その他条件:自社グループクルーズ優待券は1枚で1名1クルーズにつき10%割引、最大2枚(20%割引)まで利用可、ただし、30日以上のクルーズは1枚で3%割引(最大2枚で6%割引)、他の割引制度との併用については予約時要確認。クルーズ船・フェリー寄港地にちなんだ地域名産品などは自社オリジナルカタログより選択、300株以上を2年以上継続保有した株主のみに贈呈。自社グループフェリーサービス共通クーポン券は自社グループ会社運航の一部フェリーサービスにて利用可、1枚で大人1名1乗船に利用可
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 第10位は海運会社大手の商船三井。

 同社も日本製鉄同様、高配当株として知られますが、2023年5月に新たなカタログギフト優待新設を発表するなど、個人投資家向け株主優待制度の拡充に積極的です。

 今回2024年3月末から新設されるのが、3月末に300株(投資金額約156万円)以上を2年以上継続保有した株主に、同社のクルーズやフェリー事業にちなんだ各地名産品3,000円相当が贈呈されるカタログギフト優待です。

 2024年3月末に新たに300株以上を購入した場合、このカタログギフト優待贈呈の権利が得られるのは2年後の2026年3月末(カタログ発送は同年5~6月予定)になりますが、これを機に長期保有を考えてみるのもいいかもしれません。

 その他、3月・9月末に100株保有で、同社の「にっぽん丸」などのクルーズ旅行代金が10%割引(30日以上のクルーズは3%割引)になる優待券2枚が贈呈されます。
一人で優待券2枚を1度に利用して旅行代金20%割引(上同6%割引)にすることもできます。

 その他、9月末に100株保有で、茨城・大洗~北海道・苫小牧、大阪・神戸~鹿児島・志布志・大分など国内4航路のフェリーサービス「さんふらわあ」の片道乗船運賃が5,000円割引になる優待券1枚が贈られます。

 同社の今期2024年3月期はコンテナ船の船賃低下や需要落ち込みで大幅な減益予想です。

 前期2023年3月期は1株当たり560円に達した株主配当も今期は200円に減配予想で、来期2025年も業績横ばいが濃厚です。

 ただ、2024年に入って中東の紅海を航行する船舶に対するイスラム過激派の攻撃が激化。船賃高騰の思惑もあって同社の株価は上昇しています。

 高値つかみは怖いものの、減配されても今期の予想配当利回りは4.00%に達しており、8位の日本製鉄同様にPBR0.8倍前後の割安株のため、今後も積極的な株主還元策の発表に期待できそうです。