暗号資産は将来の分離課税への移行に期待

 同様のことは、暗号資産(仮想通貨)にも言えます。暗号資産への課税は、現在、総合課税ですから、利益の金額が大きくなると50%超の税率で課税されてしまいます。

 大きく利益を上げても、その半分は税金で持っていかれてしまう、という認識を持った上で投資すべきです。

 もちろん、税金の影響が大きいからといって暗号資産への投資は控えるようにと言うつもりはありませんし、筆者自身も暗号資産へ投資しています。

 それでも半分税金ということは、実質利回りが半分に落ちることになりますから、より投資リスクが高まると考えておいたほうがよいでしょう。

 以前はFX(外国為替証拠金取引)も総合課税でしたが、今は20.315%の分離課税になりました。暗号資産も取引所の整備や取引の透明化、健全化などが進み、FXと同様に20.315%の分離課税となれば、その分投資リスクも減少し、投資対象としての魅力が増すことになるでしょう。今後の税制改正には注目しておきたいところです。

税金を理由に売買ルールをねじ曲げないように!

 最後に1点、注意しておきたいことがあります。それは、「税金を理由に売買ルールをねじ曲げないようにする」ということです。

NISA口座だから、下がっても売らない?

 例えば、普段だったら株価が下降トレンドになったら保有株を売却しているのに、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)で買った株は売らずにそのまま持ち続ける…といったことです。

 通常の口座で買ってもNISA口座で買っても、同じ株なのに、ルールが異なるのでは、ルールを設ける意味がなくなってしまいます。

 その一方、NISA口座で買った株を早期に売ってしまうと、非課税の恩恵を受けられなくなるのも事実です。

 そこで筆者は、NISA口座で買った株が下降トレンドになったら、持ち株は売らずに残しつつ、同じ株を同じ数量だけ空売りすることで、さらなる下落へのヘッジをします。