ETFへの投資は資金効率が落ちることには要注意

 ただし、日経平均株価をはじめとした株価指数に連動するタイプのETFへ投資する際は、1点注意したいことがあります。それは、「個別銘柄に投資するよりも資金効率が落ちる可能性がある」という点です。

 日経平均株価は、2012年末にスタートしたアベノミクス相場から、3倍強に上昇しました。一方この間、株価が10倍以上に上昇した個別銘柄も数多くあります。

 また、短期的に見ても、個別銘柄の場合は1日で10%程度の変動はよく起きますが、日経平均株価が1日で10%動くことはほとんどありません。

 したがって、特に普段中小型の個別銘柄を中心に手掛けているような個人投資家にとっては、日経平均株価の値動きは個別銘柄よりかなり小さく感じるはずです。また、日経平均株価は中小型の個別銘柄のように、短期間で株価が2倍、3倍と上昇するようなこともないのです。

 この点を補うために考えられるのは、信用取引でレバレッジをかけたり、「日経平均株価の〇倍の値動きを目指す」というレバレッジ型のETFに投資する、というものです。

 信用取引をしたくないのであれば、レバレッジ型のETFへの投資が現実的です。ただ、レバレッジ型のETFの場合、その仕組み上、長期間で見ると「日経平均株価の変動率×レバレッジ倍率」とはならない点には注意してください。

 例えば、日経平均株価の2倍の値動きを目指すレバレッジ型のETFに長期間投資すると、日経平均株価の上昇率×2倍を下回った価格変動が、例えば1.9倍や1.8倍になる可能性がある点は頭に入れておきましょう。

 もしかしたら、日経平均株価が5万円を突破するかもしれない、でもそうなっても個別銘柄の多くは株価が上がらないかもしれない…であるならば、投資資金の一部は、日経平均先物や日経平均株価への影響度が高い個別銘柄、もしくは日経平均株価に連動するタイプのETFに投資しておくのも一考に値すると思います。