スナップの広告戦略
スナップチャットの広告は2015年半ばから実装されました。「スナップ・アド」では、スマートフォンのスクリーン全体を使った、縦型広告、かつ「音声あり」を標準としています。60%の広告が音声ONで視聴されています。
「アタッチメント」は、広告を見たユーザーが、それにリアクション(反応)することを可能にする機能です。
また「スポンサード・レンゼズ」はユーザーが自分の写真にそれを重ねるなどの方法で、インタラクティブに広告を楽しむことを可能にします。
広告の出稿者に対する利便性の確保という点では、プログラマティック・アド・バイング機能を提供しています。
これまでのところ、広告主の反応はすこぶる良いです。
特にユーザーが「スポンサード・レンゼズ」などを通じて、積極的に広告に関与しながらスナップチャットを楽しむので、広告の訴求力が大きいです。
スナップの経営尺度
スナップのデイリー・アベレージ・ユーザー(DAU)は2014年第4四半期の7,100万人から2016年第4四半期の1.58億人へと増加しています。
スナップチャットは、イメージというコンテンツの特徴から、ブロードバンド・ワイヤレス・ネットワークが普及している地域で最も利用しやすいです。このため同社のユーザーは都市部が多いです。
スナップは世界のトップ10広告市場に焦点を当てて営業展開しています。これらの10市場で世界の広告支出の70%をカバーしています。
同社の売上高は2015年が5,900万ドル、2016年が4.04億ドルでした。ARPU(=ユーザー当たり売上高)は2015年第4四半期が31¢、2016年第4四半期が$1.05となっています。
また北米ARPUは2015年第4四半期が65¢、2016年第4四半期が$2.15でした。
比較のためにフェイスブックの北米ARPUを見ると、2016年第4四半期は$19.81でした。つまりスナップの場合、まだまだ成長余地があると思われます。
これまでのところ売上高成長は全てボリューム増から来ており、広告単価の値上げはしていません。