米国株式の堅調をリードするナスダック100指数
米国株式は1月下旬の一時的下落を経て堅調を続けています。FRB(米連邦準備制度理事会)の大規模緩和を下支えに、バイデン政権による追加景気対策やワクチン接種の普及期待などで経済正常化を見込んだマネー(投資資金)が流入しています。米国市場の特徴は、幾度もの波乱を乗り越え、長期的な上昇トレンドを描いている点にあります。
こうした視点で、S&P500指数(市場平均)の堅調を主導してきた株価指数としてナスダック総合指数やナスダック100指数の動きに注目したいと思います。
ナスダック100指数は、ナスダック総合指数(構成銘柄:約3千社)のうち時価総額上位100社(金融を除く)で構成される時価総額加重平均指数です。コロナ禍でも比較的好調な決算や業績見通しを発表してきた大手DX(IT)関連、バイオ医薬、ニュービジネス関連を構成銘柄とする指数です。
図表1は、過去5年にわたりナスダック100指数がS&P500指数やTOPIXよりも優勢であった市場実績を示しています。
米国株式の堅調は、GAFAMに象徴されるナスダック主力銘柄の影響を軽視できず、常時言われてきた「高値警戒感」も、「成長証券」とも呼ばれる株式の特徴も踏まえて議論されるべきでしょう。ただ、米長期金利の上昇が加速する事態となれば、ナスダック相場もいったん調整場面を迎える可能性もあり注意は必要です。