「税金高いから売らない!」は正しいのか?

 今後は分かりませんが、今のところは総合課税で課税されるため、利益に対して最大で50%超の税金がかかってしまうのが暗号資産の悩ましいところです。

 数年前の2017年、ビットコインをはじめとした暗号資産が急騰し、「ビットコイン・バブル」が起こりました。その時に多くの個人投資家が多額の含み益を獲得しましたが、中には「今売却すると税金が50%取られる。それならば無理に売らずに持ち続けて、税金が分離課税で安くなるのを待とう」という考えの投資家もいました。

 その結果、2018年には無残にバブル崩壊、50%の税金を取られてでも売却しておいた方がよかった…となるかと思われましたが、その後、2020年春のコロナ・ショック後から再び息を吹き返したのです。結果的に今のところ、税金をたくさん取られるのはもったいないから売らない、という選択肢が正しかったことにはなっています。

 でも筆者の感覚からすれば、税金がもったいないから、売るべきタイミングで売らない、というのはあまり賛成できません。同じ値動きであっても、税金が高いから売らない、税金が安ければ売る、というのは、理屈として違和感があります。

 とはいえ、筆者自身、2018年よりはるか前、マウントゴックスが破たんしたときに暗号資産バブルは終わったと思っていたのが、2017年に超絶なバブルが到来、さらには2020年から今に至るまで、バブル高値をさらに超えてくるとは全く予想だにしませんでした。

 結局、いくら予想したところで株式投資以上に読めないのが暗号資産への投資。税金の基本的な取り扱いを知った上で、税金とうまく付き合いながら楽しんでいくのがちょうどよいのかもしれませんね。