買った価格より安く売ったはずなのに?税金がかかる仕組み

 次にこんなケースも、よくあるのではないでしょうか。

(1) 2020年3月に、1ビットコインを1BTC=80万円で購入
(2) 2020年12月に、0.1ビットコインを1BTC=300万円で購入
(3) (2)で0.1ビットコインを買った3日後に、1BTC=250万円で売却

 要は「もっと上がる!」と思って追加買いしたものの、急落したので慌てて売却した、という状況です。

 通常の感覚では、0.1ビットコインを30万円で買い、それをすぐ25万円で売ったので、5万円の損失が生じた、と考えますよね。

 ところが、このケースでは、2020年3月に1ビットコインを80万円というかなり安い金額で買っているのです。これ以外に2020年の売買はないとすると、合計1.1ビットコインを総額110万円で年間に購入していますから、0.1ビットコインを売ったとき、取得費は10万円と計算されます。そしてこれを25万円で売ったわけですから15万円の利益が生じていることになるのです。

 売却の際は、過去の取得価格をならして取得費を計算し、利益を出すことになりますので、自分自身の感覚とは異なる利益の発生には十分気を付けてくださいね。

※表中の(2)、(3)の1BTCの価格が公開スタート時に誤っておりました。お詫びして訂正いたします(トウシル編集チーム)。