減配になりにくい高配当利回り株を選ぶための4条件

【1】規 模:売上高や時価総額が大きい。
【2】業 種:不況に強い業種に属する。
【3】財 務:借金が少ない。
【4】収益力:経常利益率が高い。

 4条件すべてを満たす必要はありません。上の条件のうち最上位の条件【1】だけ満たす銘柄でも、投資の候補銘柄としては十分です。

 「不況の影響をうけにくい業種から選ぶ」が、条件【2】です。情報通信・医薬品・食品などです。ただし、条件【2】については、今はあまり考えないでもいいかと思います。今はコロナ・ショックで、景気敏感株が売り込まれた後だからです。私はこれから景気回復が徐々に鮮明になっていくと予想していますので、今は景気敏感株の高配当利回り株もおもしろいと思っています。景気敏感株の大型高配当利回り株としては、以下のような銘柄に注目しています。

  1. 三菱UFJ FG(8306)(予想配当利回り5.3%、1株当たり年間配当金25円を2月1日株価475.3円で割って計算)
  2. 東京海上HD(8766)(予想配当利回り4.6%:1株当たり配当金235円、2月1日株価5,147円)
  3. 三菱商事(8058)(予想配当利回り5.1%:1株当たり配当金134円、2月1日株価2,652.5円)
  4. 三井物産(8031)(予想配当利回り4.1%:1株当たり配当金80円、2月1日株価1,931円)
  5. ENEOS HD(5020)(予想配当利回り5.2%:1株当たり配当金22円、2月1日株価421.4円)

 高配当利回り銘柄への投資では、特定銘柄に集中投資すべきではありません。どんな銘柄にも、固有のリスクがあり、減配リスクが低く見えても、減配になって株価が下がることはあり得ます。1銘柄に集中投資するのは避けた方が良く、また同じ業種の銘柄ばかり買うのも望ましくありません。減配になりにくい性質を持った銘柄で、なるべくたくさんの銘柄・業種に分散投資すべきです。

 景気変動の影響を受けにくい業種(ディフェンシブ株)にも、投資した方が良いと思います。以下のような銘柄です。

  1. NTT(9432)(予想配当利回り3.8%:1株当たり配当金100円、2月1日株価2,636円)
  2. 武田薬品工業(4502)(予想配当利回り4.8%:1株当たり配当金180円、2月1日株価3,723円)
  3. 日本たばこ産業(2914)(予想配当利回り7.4%:1株当たり配当金154円、2月1日株価2,088円)

 予想配当利回り3.5~6%の大型株に分散投資し、5年・10年と保有し続けることが、派手さはなくとも、着実に資産を増やしていく近道だと考えています。

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