「たられば」の撲滅はできないが、減らすことは十分にできる

 では、筆者のように売買のルールをしっかりと決め、それを守りさえすれば、「あのときこうしておけば……」という後悔を一切しなくて済むかといえば、そんなことはありません。

 筆者も、「A社の株ではなく、B社の株を買っておけば良かった……」「こんなに株価が上昇するならもっとたくさん買っておけば良かった……」「株価がこんな短期間で急落する前に売っておけば良かった……」などと思うことはしょっちゅうです。

 それほどまでに、株式投資というのは、後悔の連続だったりするのです。

 それでも、売買のルールをしっかりと定め、その通りに実行することにより、深く考えずになんとなく株式投資を続けるよりは、はるかに後悔の数は減らすことができます。そして後悔の代わりに、満足できることが増えていきます。

 株式投資で全て思い通り、というのはそもそも無理な話です。でも、ルールを決めてそれを守るという、ちょっとした努力を続けるだけで、そうでない人に比べて大きな成果の差をつけることができるのも事実です。

 筆者は、2020年の日本株は、売買のルールを決めて守ることにより、十分に利益を出すことができる環境だったと感じています。

 もし2020年の成果がイマイチだったり、2020年にこう動いていればよかったのに……と感じているのであれば、ぜひ売買のルールを決めて守るようにしてみてください。そうすれば、「あのとき買えていればよかったのに……」から、「あのときしっかり買えてよかった!」ときっと実感できるようになるはずです。

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