決算の動向次第で上昇に勢いが出る?

 次に、日経平均のトレンドについても確認します。

■(図2)日経平均(日足)のボリンジャーバンドとMACD(25日)(2021年1月22日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図2は、日経平均(日足)のボリンジャーバンドとMACDの推移です。

 先週の日経平均は、ボリンジャーバンドの+2σ(シグマ)と+1σの範囲内で推移している他、MACDもシグナルと共に+500円辺りでの横ばいが続いています。前回のレポートでは、「かぶせ線」の出現など、高値警戒のサインについて言及し、実際に、上値が重たくなっていましたが、かといって弱気に転じたというよりは、「ひとまず一服して様子をうかがっている」感があります。

 そのため、今後の決算の動向次第では、昨年11月中旬の時のように、上昇に勢いが出てくる可能性があります。当時は直近高値の2万6,000円台を超えて、一段高となりましたが、足元の直近高値(1月14日の2万8,979円)も、ほぼ2万9,000円台の節目であるだけに、同じようなパターンが再現されるかもしれません。

マザーズ指数は株価水準切り上げ。新興株市場に注目が集まる

 また、先週のマザーズ指数は株価水準を切り上げ、昨年12月高値を超えてきています。日経平均やTOPIX(東証株価指数)がもみ合っていた中で、資金が新興株市場に向かっていたことがうかがえます(下の図3)。

■(図3)マザーズ指数(日足)の動き(2021年1月22日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 企業決算を機に、しばらくは日経平均やTOPIXの方に再び視線が向かいそうですが、2月に入るとIPO(株式の新規公開)が増え始めますので、新興株市場が注目される場面が増えそうです。