新年の計は「年初」にあり?半導体株の好発進に注目
新年の世界株高のなかで、日経平均株価は約30年ぶり高値を更新しました。とはいうものの、米国市場の長期金利上昇がいったん相場の上値を抑える可能性には要注意です。先週実施された上院のジョージア州決選投票を経て、民主党が大統領府、下院議会、上院議会を実質支配する見通しとなりました(トリプルブルー)。
コロナ禍で積み上げられた過剰流動性に、大規模財政出動期待が加わったことでリフレ期待(物価と景気の押し上げ観測)が浮上。米債市場で試算される期待インフレ率(Break Even Rate)は、約2年ぶり水準となる2.09%に上昇。10年国債利回りも1.15%に上昇しました(11日)。
当面は、金利を低位に安定させたい金融当局(FRB)が、金利上昇を抑制するための追加緩和策やメッセージ(市場との対話)を打ち出すか否かが注目されます。株式市場の総意(コンセンサス)である「金融緩和の長期化シナリオ」が崩れるなら、リスク資産の価格形成が影響を受ける可能性があります。
なお、新年の米国市場における物色変化に特徴もみられます。上記したリフレ期待を受け、年初来騰落率でバリュー株(景気敏感株)指数が優勢となる一方、グロース株指数が劣勢となっています。
こうしたなか、フィラデルフィア半導体株指数に象徴される半導体関連株が「好発進」を鮮明にしていることに注目したいと思います。
<図表1:新年の米国市場で半導体株が好発進>