自動増額システムがビルトインされている米国401(k)プランは「定率制」

 日本と同様に、長期・積み立て・分散投資を行っている海外の例として、米国の401(k)プランに加入している会社員を挙げてみます。

米国の長期・積立・分散投資は?

・新入社員になったらとにかく加入

・給与の一定率を積み立てると自動設定

・バランス型ファンドやターゲットデートファンドの自動購入

 これらが初期設定でセットされます。

 まさに、長期・積み立て・分散投資が実行されるわけですが、ここで注目したいのは「給与の一定率」という設定です。

 一般的には最初は3%程度からスタートし、徐々に拠出率をアップさせるようですが、この「率」そのものが、徐々に掛け金額をアップさせる仕組みとなっています。

 仮に給与の10%と規定していた場合、月20万円の人は月2.0万円を、月30万円の人は月3.0万円をそれぞれ401(k)プランに入金します。つまり給与がアップしたとき拠出余力も高まっているわけですから、「自動増額」するわけです。

 特に手続きをしなくても「率」で決めておくだけでよく、キャリアアップに従って自動的に増額される、というのがポイントです。負担能力が高まったときに無理のない範囲で掛け金もアップすることができれば、老後の安心は高まってきます。

 以前のレポートで、米国の401(k)プラン利用者が1人あたり10万ドル、つまり1,000万円ほどを蓄えていると紹介しましたが、実は「投資」だけではなく「拠出額の増額」もこれに大きく寄与しているのです。