米国株は、このリズムで動いてきた

 米国株は過去、景気・金利・株価の「お決まりのパターン」にはまって動いてきたと言えます。もちろん、日本株でも同じパターンは観測されます。ただ、日本では近年、長期金利がゼロに固定されているため、金利サイクルがやや分かりにくくなっています。

 それでは、2014年以降の、NYダウ平均株価と、米長期金利の変動パターンを見てみましょう。

<NYダウと米長期(10年)金利推移(月次):2014年1月~2021年1月(4日)>

(出所:楽天証券経済研究所が作成)

【1】2014年~2016年半ば:景気拡大初期

 2014~2016年にかけて、米国の景気・株価・金利は、「景気拡大初期」の動きが延々と続いていました。景気が回復しているにもかかわらず、金利は低下し続けて、株価が上昇していたからです。

【2】2016年半ば~2017年:景気拡大中期

 2016年半ば~2017年にかけて、景気拡大「中期」のパターンに入りました。金利が上昇する中で、株価の上昇が続いたからです。

【3】2018年:景気拡大末期

 2018年には、金利上昇を嫌気して、株価が上がらなくなりました。年末にかけて、NYダウは急落しました。

【4】2019年~2020年3月:景気後退初期・中期

 コロナ危機という特殊要因で、景気後退期に入ったため、株価の動きがやや過去のパターンと異なりますが、2020年2、3月の暴落まで見れば、景気が後退する中、金利も株価も下がった局面と、とらえることができます。

【5】2020年4月~2021年1月:景気後退末期・景気拡大初期

 2020年4~6月は、戦後最悪の景気落ち込みの中、金利が急低下、中央銀行がかつてない量的緩和の大盤振る舞いをする中で、株価が大きく上昇しています。過去のパターンから読み解くと、景気後退末期の動きです。

 2020年7月以降は、景気拡大初期の動きです。長期金利はやや上昇していますが、まだ水準が低いこと、量的緩和が続いていることから、景気拡大初期のパターンと認定することができます。