短期的にはまだまだ上昇、中期的にはそろそろ一服?

 同様に、NYダウ平均株価もチェックすると、こちらも乖離率が5%を下回っており、こちらも相場の行き過ぎが警戒される状況ではないように見えます(下の図2)。

■(図2)NYダウ(日足)と移動平均乖離率(25日)(2021年1月8日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 ただし、今度は日経平均を週足で見てみると、少し印象が異なっていきます。

■(図3)日経平均(週足)と移動平均乖離率(13週)(2021年1月8日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 今度は3カ月間の値動きの中心線となる13週移動平均線で見ていきます。8日(金)時点では9.46%の上方乖離となっていて、10%近くに位置しています。昨年の11月も10%を超えたところで上昇がストップした経緯があり、週足では上昇の一服感が出てきてもおかしくない状況です。

 したがって、移動平均線からの乖離で捉えると、「短期的にはまだまだ、中期的にはそろそろ」という状況です。この状況は、株価が少し大きめに下げても、トレンド転換にならずにさらに上昇していくこともあれば、ちょっとの下落がトレンド転換へとつながっていくこともあるため、少し厄介です。

 引き続き、前回のレポートでも紹介した週足MACDとシグナルのクロスがトレンド転換のサインになります。

■(図4)日経平均(週足)の線形回帰トレンドとMACD(2021年1月8日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成