金融相場で株は強気?コロナ税どうなる?

9.金融緩和継続で強気相場は続くも、オフィス市況は軟調

 経済が本格的に回復するにはまだ時間がかかるので、世界的な低金利、カネ余りは来年も続きます。

 日本では異次元緩和も続きますし(むしろ、出口がないのではと心配です)、財政出動も積極的です。一部の業種を除けば、資金繰りに余裕があるため、信用リスクは低く抑えられています。個人的にはやや楽観的なのではとも思いますが、強気相場を理屈づける材料には事欠きません。

 一方、大企業のオフィスワーカーを中心に在宅勤務が進み、コロナが終息しても、在宅勤務を継続するという動きが強まっています。オフィスの減床を表明する企業も増え、契約更新のタイミングで影響がはっきりと出て来そうです。

 副次的な影響として、在宅勤務のスペース確保の需要、空きテナントの利用という供給要因から、トランクルームの増加が見込まれます。

10.コロナ税の議論は場外乱闘で

 2020年度は過去最高の国債発行額になり、年度末の政府債務対GDP比では260%を超える見込みです。2021年度も高水準の財政支出が続きます。

 東日本大震災後に復興税が課せられたように、コロナ税が課せられる可能性は十分に高く、来年は国会外での議論が白熱すると思われます。選挙もあり政治の場では増税の議論がしにくいですが、国債格付けへの影響が懸念されますし、将来の社会保障への不安から消費を控える動きが見られます。

 資金循環統計の家計の金融資産は1900兆円を突破し、資産格差の拡大が窺えます。当然、反対意見も多いですし、増税派の中でもどの税を上げるかで紛糾するでしょう。来年や再来年に増税できる環境になるとは思えませんが、コロナ禍で格差が広がったこともあり、キャピタルゲイン課税が注目を集めそうです。