優待は危機?ふるさと納税は再過熱?

3.株主優待に転機

 引き続き人気の株主優待ですが、2021年は転機が訪れるかもしれません。資金繰りを支援する政策が続いていますが、金融機関からすれば、貸出先には少しでも多くの自己資本を確保して欲しい局面です。

 経営が厳しい状況では、キャッシュフローが流出するような株主優待(例えば、ギフトカードや商品カタログ)への風当たりが強まります。飲食店の優待券・割引券も店舗の閉鎖や業態変更で使いにくくなっています。こうした流れは来年も続くので、株主優待への見方がシビアになりそうです。

4.ふるさと納税は大都市圏の攻勢で過熱

 株主優待の熱が冷める一方、ふるさと納税は引き続き人気を博しそうです。コロナ禍の支出で自治体の財政は火の車。税収減もあり、一円でも多くの収入が欲しいと躍起です。

 東京都内ではこれまでふるさと納税の返礼品を設けていなかった渋谷区や三鷹市などが返礼品を新設しました。ふるさと納税で他の自治体に税収が奪われるのを少しでも減らすためです。

 ふるさと納税はマクロで見れば、税収はゼロサムどころかマイナスサムになるのですが、背に腹は代えられません。大都市圏の税収が地方に流れるという構図に待ったをかけようとするなら、地方はさらに返礼品に知恵を絞ります。「仁義なき戦い」になるかもしれません。