2:ビットコイン価格は、ドルが大幅下落する時、金(ゴールド)とともに上昇する

 2020年7月から8月初旬にかけて、ビットコイン価格は金価格とともに上昇しました。この間、国内外の金先物価格は、NY市場は1トロイオンスあたり2,000ドル、大阪市場は1グラムあたり7,000円という、史上最高値をつけました。

 金先物価格の史上最高値達成時、ビットコイン価格も、明確な上昇トレンドを描いていました。“ビットコイン高・金高”は、“無国籍資産”への注目が高まっていたことが一因であると、筆者は考えています。

 この間、米国の金融緩和策が強化されるとの見方から、米ドル(以下ドル)の下落が目立っていました。基軸通貨(貿易で最も多用される通貨)であるドルが下落したことで、“ドルの代わりの通貨”を物色する動きが目立ち、国籍がない、特定の国の信用状況に影響を受けない通貨“無国籍通貨”という側面を持つ、ビットコインや金が買われたと、考えられます。

 金融緩和が強化されるなどで、ドルが大きく下落する時は、ビットコインも金も、ともに上昇することがあります。逆に、ドルが大幅上昇した場合は、ともに下落することがあるため、注意が必要です。

3:ビットコインは、金相場低迷時、無国籍資産として株のヘッジ対象になり得る

 ヘッジとは、簡単に言えば“保険”です。例えば、株式を保有している投資家が回避したい(保険をかけたい)のは、株価が下落することで発生する損失です。

“株価が下落する局面で、上昇する銘柄を同時に保有すること”が、株式を保有している投資家にとっての“ヘッジ”と言えます。しばしば、金(ゴールド)は、株と相反する動き(逆の動き)をすることがあるため、金(ゴールド)は株のヘッジに役立つ、と言われることがあります。

 とはいえ、2020年10月のように、株が下落、金(ゴールド)も小動きという場面では、金が株のヘッジになじまないケースもあります。このような時に、金と同じ“無国籍資産”の側面を持つビットコインが、金に代わり、株のヘッジ役になることがあります。

 実際、2020年10月の騰落率は、NYダウが▲4.73%、金(ゴールド)が▲1.43%、ビットコインは+28.60%でした。ビットコインが、株の下落を補って余りある上昇をみせたわけです。