騰落率:景気連動型の銘柄の上昇が目立つ。暗号資産、金などの“無国籍資産”は軟調。

 8月3日(月)から25日(火)までの騰落率を確認します。このおよそ3週間、最も上昇率が高かったのは、マザーズ指数でした。

図:ビットコインとイーサリアム、各種銘柄の騰落率
2020年8月3日(月)と25日(火)の終値で計算

出所:楽天ウォレット、マーケットスピードⅡなどのデータをもとに筆者作成

 2位は銀、3位はパラジウムでした。また、日経225や原油、天然ゴムも上昇しました。株価指数、エネルギー、そして産業用の用途の割合が高い貴金属、つまり、景気動向に連動する傾向がある銘柄が上昇しました。

 一方、金とイーサリアムは下落、ビットコインはほぼ横ばいでした。国の信用の裏付けを必要としない“無国籍通貨”が横ばい、あるいは下落したわけです。全体的には、この3週間、景気連動型の銘柄が上昇し、“無国籍資産”が軟調だったと言えます。

 8月に入り、新型コロナのワクチンや治療法の開発に進展がみられる期待が高まったことなど、これまで存在した複数の悲観論が一時的に後退したことが今後の世界景気の回復期待を高め、景気連想型の銘柄が上昇、それに伴い、“無国籍通貨”を保有する妙味が一時的に低下したと考えられます。