相関係数:暗号資産はどの銘柄とも、強い相関は認められなかった

 相関係数は、2つの対象物の関係性を数値化したもので、+1と-1の間で決まります。+1に近ければ、2つの対象物の関係は正(連動するように動いていること。相関)、-1に近ければ、関係は負(正反対に動いていること。逆相関)、0に近ければ2つの対象物は、関りがないこと(無相関)を意味します。

▼相関係数の見方
0~+0.3(-0.3):ほぼ無相関
+0.3~+0.5(-0.3~-0.5):弱い相関(逆相関)
+0.5~+0.7(-0.5~-0.7):相関あり(逆相関あり)
+0.7~+0.9(-0.7~-0.9):強い相関(強い逆相関)
+0.9以上(-0.9以下):非常に強い相関(非常に強い逆相関)

 2020年8月3日から25日の、ビットコイン、イーサリアムと、他の銘柄の相関係数は以下のとおりです。

図:ビットコインとイーサリアム、各種銘柄の相関係数(2020年8月3日から25日)

出所:楽天ウォレット、マーケットスピードⅡなどのデータをもとに筆者作成

 この期間、2つの暗号資産と、主要株価指数、通貨、コモディティそれぞれの相関係数は、いずれも+0.6(-0.6)を超えませんでした。つまり、この期間のビットコインとイーサリアムは、他の主要銘柄と高い連動性は見られませんでした。

 2月下旬から3月中旬にかけて発生した新型コロナ・ショック以降、金とビットコインは高い連動性が見られましたが、8月の3週間だけで見た場合、ほとんど相関関係はありませんでした。“無国籍通貨”に関心が集まり、ともに上昇してきた金相場が、8月1週目に反落したことが要因とみられます。