パーク24の株価にとって重要なのは、カーシェアリング事業の成長

 私は、コロナ禍で落ち込んだパーク24の駐車場収入が回復し、それに伴って、同社の利益も株価も回復すると予想しています。ただし、それだけならば、株価の上値余地が大きいとは言えません。パーク24が最高益を連続で更新していく「成長株」に戻らないことには、株式市場での評価は高まりません。その鍵を握っているのが、カーシェアリング事業です。

 パーク24の駐車場事業は、安定的に収益を稼ぐビジネスとなるものの、成長余地はだんだん小さくなってきています。駐車場に代わって、カーシェアリング事業が同社の成長の柱になると予想しています。

 カーシェアリング事業は、コロナ禍でも好調でした。感染を避けて短距離を移動する手段として、利用が拡大しました。コロナ収束後に、さらに成長が続くと予想しています。
カーシェアがどういうものであるかご存知ない方のために、以下、内容を簡単に説明します。

【ご参考】カーシェアリングとは
 自動車(カー)を共同利用(シェア)する仕組み。欧米で普及し、日本にも広まりつつある。日本国内でトップが、パーク24が運営する「タイムズ・カー・プラス」です。全国に1万2,772の車両ステーションを有し、2万7,033台の車両を保有、150万6千名の会員を有します(2020年10月時点)。競合大手に、オリックスカーシェア、カレコ(careco)などがあります。

 カーシェアのメリットは、「安」「近」「短」といわれます。近所にカーシェア用の自動車を設置したステーション(駐車場)があることが前提ですが、安価な利用料金で、自宅近くから、近距離・短時間のドライブにも利用できます。

 カーシェアの会員になると、スマホで申し込み、簡単に自動車を借りることができます。ネット予約してカーシェア用の車両を置いてある駐車場に行き、会員証をかざすだけで、簡単に開錠できます。旅先で、駅前からカーシェアを利用することも可能です。
利用料金は、15分で220円(ガソリン代・保険料込み:ベーシック車種)からとなっています(20年12月時点)。自動車を保有するコスト(車両購入・車検・駐車場・保険・税金など)がかからないので、割安な利用方法です。

 レンタカーと比較すると、利用手続きが簡単で、短時間・短距離の利用に使えることが評価されています。

 パーク24は、レンタカー事業とカーシェア事業を両方行ってきましたが、利用者のニーズ変化を受け、レンタカー事業を縮小、カーシェア事業を拡大する方針です。
国内のカーシェア事業は、順調です。先行投資の成果で、収益拡大が軌道に乗ってきました。拠点数の多さから国内で高い競争力を有します。

 パーク24について、さらに詳しく知りたい方は、以下のレポートをご参照ください。
2020年10月28日:「パーク24」買い判断を継続。カーシェア好調、駐車場の利用率回復