まだコロナ収束への道筋がはっきり見えたわけではありませんが、今日は、コロナ収束前に買っておきたいと考える5銘柄について、私の投資判断をお伝えします。
パーク24(4666)は、今が投資の好機と判断
コロナ収束前に投資すべきと考える銘柄で、最初にご紹介したいのはパーク24(4666)です(12月8日株価1,698円)。12月15日(火)に決算発表を予定しています。前期(2020年10月期)業績(実績)とともに、今期(2021年10月期)の業績(会社予想)が発表される見込みです。
前期は、会社予想によると▲242億円の営業赤字に転落しました。ただし、同社が開示している月次売上を見ると、足元の売上は急速に回復しつつあります。楽天証券では、今期220億円の営業黒字に転換すると予想しています。赤字銘柄として株価が低迷している今のうちに、投資しておきたいと考えています。
パーク24業績(売上高と営業利益):2018年10月期~2021年10月期(予想)
パーク24の株価推移、日経平均との比較:2019年12月末~2020年12月8日
パーク24(4666)は、時間貸し駐車場「タイムズ(Times)」で国内最大手です。また、カーシェアリング(タイムズカーシェア)事業でも、国内トップです。私は、駐車場事業で安定収益を稼ぎつつ、カーシェア事業で成長するシェアリングエコノミー【注】関連の成長株として、高く評価しています。
【注】シェアリングエコノミー
乗り物・住居・家具・衣服や各種サービスなどを単独で所有せず、多数の人間が共有(シェア)して利用すること。または利用する仕組み。自動車をシェアするカーシェアリング(カーシェア)・住居のシェア(シェアハウス)、自動車の相乗りサービス(ライドシェア)のほか、さまざまな共有サービスが生まれ、グローバルに拡大している。
同社開示資料によると、以下の通り、タイムズ駐車場の売上は、以下の通り、急速に持ち直しています。
タイムズパーキングの売上高・前期比増減(%)・売上高総利益推移:2019年11月~2020年10月
11~12月もさらに売上回復が続いていると考えられます。経済再開にともなって、自動車利用が増えていることが駐車場の利用回復につながっています。
足元、感染再拡大によって経済にブレーキがかかる不安はありますが、自家用車はコロナ禍でも「感染を避ける移動手段」として注目されており(公共交通機関と比べて第三者から感染するリスクが低い)、回復が続くと予想しています。
パーク24の株価にとって重要なのは、カーシェアリング事業の成長
私は、コロナ禍で落ち込んだパーク24の駐車場収入が回復し、それに伴って、同社の利益も株価も回復すると予想しています。ただし、それだけならば、株価の上値余地が大きいとは言えません。パーク24が最高益を連続で更新していく「成長株」に戻らないことには、株式市場での評価は高まりません。その鍵を握っているのが、カーシェアリング事業です。
パーク24の駐車場事業は、安定的に収益を稼ぐビジネスとなるものの、成長余地はだんだん小さくなってきています。駐車場に代わって、カーシェアリング事業が同社の成長の柱になると予想しています。
カーシェアリング事業は、コロナ禍でも好調でした。感染を避けて短距離を移動する手段として、利用が拡大しました。コロナ収束後に、さらに成長が続くと予想しています。
カーシェアがどういうものであるかご存知ない方のために、以下、内容を簡単に説明します。
【ご参考】カーシェアリングとは
自動車(カー)を共同利用(シェア)する仕組み。欧米で普及し、日本にも広まりつつある。日本国内でトップが、パーク24が運営する「タイムズ・カー・プラス」です。全国に1万2,772の車両ステーションを有し、2万7,033台の車両を保有、150万6千名の会員を有します(2020年10月時点)。競合大手に、オリックスカーシェア、カレコ(careco)などがあります。カーシェアのメリットは、「安」「近」「短」といわれます。近所にカーシェア用の自動車を設置したステーション(駐車場)があることが前提ですが、安価な利用料金で、自宅近くから、近距離・短時間のドライブにも利用できます。
カーシェアの会員になると、スマホで申し込み、簡単に自動車を借りることができます。ネット予約してカーシェア用の車両を置いてある駐車場に行き、会員証をかざすだけで、簡単に開錠できます。旅先で、駅前からカーシェアを利用することも可能です。
利用料金は、15分で220円(ガソリン代・保険料込み:ベーシック車種)からとなっています(20年12月時点)。自動車を保有するコスト(車両購入・車検・駐車場・保険・税金など)がかからないので、割安な利用方法です。レンタカーと比較すると、利用手続きが簡単で、短時間・短距離の利用に使えることが評価されています。
パーク24は、レンタカー事業とカーシェア事業を両方行ってきましたが、利用者のニーズ変化を受け、レンタカー事業を縮小、カーシェア事業を拡大する方針です。
国内のカーシェア事業は、順調です。先行投資の成果で、収益拡大が軌道に乗ってきました。拠点数の多さから国内で高い競争力を有します。
パーク24について、さらに詳しく知りたい方は、以下のレポートをご参照ください。
2020年10月28日:「パーク24」買い判断を継続。カーシェア好調、駐車場の利用率回復
コロナ収束前に投資したい、その他4銘柄
株式市場では、「コロナ後」の回復を織り込む動きが出つつあります。コロナ禍で大きなダメージを受けている銘柄から、コロナ後に成長が見込まれる株を探す動きが強まると思います。
パーク24は、コロナ後の成長期待株として、積極的に投資していきたいと思います。ただ、他にも、コロナ後に復活が期待される株はあります。メガ銀行、大手総合商社がその候補となります。以下4銘柄に今、投資していくべきと判断しています。
コロナ収束前に投資したいと考える4銘柄の配当利回り:12月8日時点
コード | 銘柄名 | 配当 利回り |
1株当たり 配当金 |
8日株価 |
---|---|---|---|---|
8306 | 三菱UFJ FG | 5.6% | 25 | 444.3 |
8316 | 三井住友FG | 6.2% | 190 | 3,081.0 |
8058 | 三菱商事 | 5.4% | 134 | 2,495.5 |
8031 | 三井物産 | 4.2% | 80 | 1,892.0 |
出所:1株当たり配当金は今期(2021年3月期)の会社予想。配当利回りは、1株当たり配当金を12月8日株価で割って算出 |
メガ銀行(三菱UFJと三井住友FG)は、高配当利回り株としての投資価値も高いと考えています。コロナ禍で貸倒れが増えるため今期は減益の見込みですが、それでも配当は維持する方針です。コロナ禍でも業務純益(銀行の本業の利益)が堅調であること、株価上昇によって保有有価証券の含み益が拡大していることもあり、コロナ収束後に利益が回復する局面で、さらなる増配があると予想しています。
詳しくは、以下のレポートを参照してください。
2020年11月17日:配当利回り5.3%~6.0%!3メガ銀行株の「買い」判断を継続
大手総合商社2社(三菱商と三井物)は、コロナ禍で利益が低下していますが、コロナが収束すれば両社とも再び最高益を更新していく力があると判断しています。
詳しくは、以下のレポートを参照してください。
2020年8月26日:配当利回り4~5%台も!総合商社の投資価値を見直し
2020年9月1日:プロが解説!バフェット氏が日本の商社株を買う理由
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