相場上昇に乗るテクニック:投資信託やETFなら急上昇時に「一部売る」をやってみよう

 投資信託やETF(上場投資信託)には口数の概念がありますが、これは部分的な売却を可能とする仕組みとして、個人投資家にとってはとても役立ちます。

 そして「一部売る」をやってみると、これはこれで投資のテクニックとして使い勝手もあります。

 取得価格から20%値上がりしている投資信託があったとき、取得口数の「120分の20」を手放せば、購入当初の保有金額は投資を継続しつつ、20%の値上がり分について利益確定をすることになります。

 また、さらに20%くらい値上がりしたら「120分の20」の口数を手放せばいいわけです。個別銘柄で単位株を切り崩していくよりもむしろ無限に投資ができます(口数が割れる限り)。

 といっても、あまり精密な「120分の20」にこだわる必要はないので、「だいたい200口」のようにキリのよい数字ですればOKだと思います。それでも「全部売る!」から卒業する売買テクニックとしては有意義です。

 急な値上がり時にはあなたの投資ポジションは本来の投資計画からオーバーウエートになっていますから、これを部分的に売って調整することはリバランスの観点からも合理的な行動と言えます。

 そして、売らずに残した部分はマーケットとつき合い続けていけば、「もっと値上がりしたとき」はその値上がり益を獲得できますし、「反転して値下がりしたとき」には部分的に利益確定した分が手元に確定して残ります(できれば値下がり時に再エントリーしたい)。

 投資信託はこうした「部分的な売り」を行うには、とても向いている商品であると思います。

 ところで、「一部買う」というようなアプローチは実現済みです。そう、投資信託を積立購入することです。こちらは指定金額で買えるだけの口数を自動的に調整して注文されますから、市場の騰落を気にせず注文ができます。「5,000円で買えるだけください」というわけです。