「全額売り!」を止めるだけで、投資の選択肢がぐっと広がる

 実は、今まで投資の常識とされてきたもののいくつかは、個人の資産形成では必ずしも常識ではないものであったりします。

投資の勘違い:投資を始めるにあたっては、まとまったお金を用意する

 例えば「投資を始めるにあたっては、まとまったお金を用意する」というのは最たるものでしょう。少額から投資はエントリーでき、特に投資信託がその選択肢となっています。例えば、楽天証券なら100円からのスタートもできます。

投資の勘違い:「全額売り」と「全額買い」を何度も頻繁に繰り返すのが投資

 また、「全額売り」と「全額買い」を何度も頻繁に繰り返すのが投資だと決めつける必要もありません。実は機関投資家になるほど「一部売り」と「一部買い」をやっています。

投資の勘違い:投資といえば個別株が中心

 今まで個別株投資を中心に考えていた投資戦略では、購入単価が大きく、小回りが利かないことが悩みでした。株価1万円の銘柄があったとしても1,000株の単位株であれば、昔は1,000万円なければ購入ができませんでした。このとき「1万株買って、値上がりするごとに100株ずつ手放していく」と言われても、そもそもそんなトレードは個人には困難です。

 また、そこまで1銘柄に資金を集中させれば、今度は分散投資が成立しなくなります。購入単価の問題は、個人投資家にとっては、やりにくい条件の一つでした。

 しかし投資信託を使えば、「部分的な売却」も細かく行うことができます。口数で売却の指定ができるからです。「全額売り!」から卒業することで、実は投資の世界はぐっと広がってくるのです。