「取り崩し」、元外資マンも計画的に自分で取り崩す

 仕事を引退した後は、年金を受け取りつつ資産を取り崩す生活に入るのが普通だ。高給であった外資マンにとって、公的年金の支給額は相対的に大きなものではあるまい。

 資産の取り崩しにあっては、分配金が大きな金融商品や高配当株式のような「インカム・ゲイン」に頼るのではなく、合理的な運用を続けながら、「自分で」、「計画的に」、資産を取り崩すことが重要だ。

 インカム・ゲインに傾斜すると、手数料を年間何十万円も余計に支払ったり、不当に大きなリスクを抱えたりすることがある。ここでも、金融マンの勧めに乗らないことが重要だ。

 取り崩しの段階にあっては、元外資マンも、そうでない人と変わる条件は何もない。

 施設の入所費や相続人に渡したい遺産など、最終的に持っていたい金額を保有資産額から除き、残った額を平均余命よりも10年くらい余計に余裕を持った年数で割り算した額を上限として、資産を計画的に取り崩して幸せな老後を送ってほしい。