外国人の買いが減少、やや上値が重くなる日経平均

 先週の日経平均株価は、1週間(12月14~18日)で110円上昇し2万6,763円となりました。11月に比べると12月は上昇の勢いが落ちましたが、それでも29年8カ月ぶりの高値圏で堅調に推移しています。

 11月には、外国人投資家が2兆3,802億円も日本株を買い越し(株式現物・日経平均先物の買越額合計)、日経平均を15%も急騰させました。12月に入ってから外国人の買いが減るにしたがって、上値がやや重くなっています。

 以下、2020年の日経平均の動きと、外国人の売買動向(株式現物・日経平均先物の合計)をご覧ください。

日経平均と外国人の売買動向(買越または売越額、株式現物と日経平均先物の合計):2020年1月6日~12月18日(外国人売買は12月11日まで)

注:東京証券取引所データより楽天証券経済研究所が作成。外国人の売買動向は、株式現物と日経平均先物の合計

 日本株の最大の買い手は日本銀行ですが、それでも、日経平均の値動きを決めているのは、日本銀行ではありません。外国人投資家です。外国人は、買う時は上値を追って買い、売る時は下値を叩いて売る傾向があるので、短期的な日経平均の動きはほとんど外国人によって決まります。

 日経平均が急騰する時や新高値を更新する時の買い主体は、いつも外国人です(まれに例外あり)。反対に、日経平均が急落する時や新安値を更新する時の売り主体も、いつも外国人です(まれに例外あり)。外国人が売れば下がり、買えば上がる傾向が、過去30年続いています。

 外国人投資家から見ると、日本株は「世界景気敏感株」です。世界景気に不安が出ると、外国人は日経平均先物を即座に売ってきます。2020年はコロナ・ショックで外国人は日本株を大量に売りました。

 ところが、不安が低下して投資家がリスクを取り始めるとき、外国人は日経平均先物に買いを入れます。11月に入って外国人が一転して日本株を大幅に買い越したのは、ワクチン開発の進展によって世界経済が正常化に向かう期待が出たことに反応したものです。