1:コロナワクチン接種開始

 コロナワクチン接種が12月11日から開始との報道ですが、要因としては既に織り込み済みであるため、接種が始まっても為替市場での影響は限定的と思われます。

 注目するとすれば、巣ごもり需要で上昇していたナスダック総合指数銘柄が、ワクチン接種が現実に始まることによって新型コロナウイルス感染者抑制への期待が高まり、売り材料になるかどうか注目したいと思います。

 また、1日の議会証言でFRBのパウエル議長も指摘しているように、「(ワクチンの)生産や流通、有効性で不確実性が残る」ため、ワクチン接種開始後、マイナス材料が出た場合のシナリオにも留意しておく必要がありそうです。

2:トランプ米大統領の再出馬

 トランプ大統領は、選挙人投票でバイデン氏勝利となれば、ホワイトハウスを去るのかとの記者団の質問に対して、「きっとそうする」と述べ、政権に居座る可能性を明確に否定しました。

 しかし、バイデン陣営の選挙不正を主張し続け、敗北宣言は行わない模様です。

 トランプ大統領の得票数は、バイデン氏の8,000万票には及ばなかったものの過去の大統領選で最多だったオバマ前大統領の6,949万票を上回り、7,400万票近くとなっています。今後も保守層への影響力を維持するのは確実であり、4年後の大統領選出馬への布石を打っているのかもしれません。

 いずれにしろ、2021年1月20日の米大統領就任式までは、12月8日の選挙人確定日、14日の選挙人投票、1月6日の連邦議会での開票の動向を注視する必要がありそうです。選挙人は各党が指名し、投票結果に従うよう求められますが、前回の2016年は史上最多の7人が造反しています。