「日経平均の動きを決めるのは外国人」である事実は変わらない

 日本株の最大の買い手は日本銀行ですが、それでも、日経平均の値動きを決めているのは、日本銀行ではありません。外国人投資家です。

 外国人は、買う時は上値を追って買い、売る時は下値を叩いて売る傾向があるので、短期的な日経平均の動きはほとんど外国人によって決まります。

 日本銀行は、日経平均が下げてくると買いを増やしますが、上がってくると買いを減らします。したがって、日本銀行の買いで、日経平均が大きく上昇したり、高値をとったりすることはありません。

「日経平均が高値を取る時の買い主体は、外国人」です。日経平均が上がり続けるには、外国人が買い続ける必要があります。

 反対に、日経平均が急落する時や、安値をつけていく時も、相場を主導するのは外国人です。外国人が売れば下がり、買えば上がる傾向が、過去30年【注】続いています。

【注】1989年までは日本株の動きを決めていたのは国内投資家(日本人)でした。1990年代以降、約30年、外国人の売買で日本株の動きが決まるようになっています。

 まず、2018~2019年の日経平均と外国人の売買動向をご覧ください。

日経平均と外国人の売買動向(買越または売越額、株式現物と日経平均先物の合計):2018年1月4日~2019年12月30日

出所:東京証券取引所データより楽天証券経済研究所が作成。外国人の売買動向は、株式現物と日経平均先物の合計

 上のグラフを見れば明らかですが、外国人の売買に立ち向かう国内投資家は、短期的にはすべて失敗しています。

 2018年1~3月や10~12月は、国内投資家がいくら買っても、外国人の強引な売りの前になすすべもなく、日経平均は急落しています。反対に、外国人が積極的に買ってくる時は、国内投資家がいくら売っても理屈抜きで、日経平均は上昇しています。