年末年始の動きには注意

 今年はあと1カ月ありますが、クリスマス休暇まで静かなマーケットが続いても、年末年始の動きには注意する必要があります。時々、クリスマスまでは動意が全くない相場が新年に向けて年末から急変動する時があります。

 今年は懸念材料を抱えたままクリスマスを迎え、年を越すことになりそうなため、特に注意が必要です。トランプ米大統領の円滑な政権移譲にはいまだ不透明さは残っていますが、あと3週間弱で新政権が確定します(12月8日が選挙人確定日、12月14日が選挙人投票日)。この選挙人投票日に、選挙人が党の候補以外の人物に投票することがまれにあります。「不誠実な選挙人(faithless electors)」とも呼ばれ、1948年以降で16人いたとのことです。このうち2016年の前回の大統領選挙では最多の7人だったそうですが、これまで不誠実な選挙人が当落を左右したことはないそうです。

 そして2021年1月6日に連邦議会の上下院合同会議で選挙人投票の結果が開票され、新大統領が正式に決定されます。

 また、1月5日にはジョージア州における上院2議席を巡る決選投票が行われます、選挙の結果によっては新政権が議会の過半数を取れず、ねじれ議会となり、議会運営が思うようにできない可能性があります。その辺りを狙い、投機筋が年末にかけて仕掛けてくることも予想されます。 

 このように今年は年末年始の動きには特に注意する必要がありそうです。年末年始までまだ1カ月以上ありますが、これらのタイムスケジュールを早めに留意しておくことは重要と思われます。