株価の5日移動平均線下抜けは「ダマシ」。2万6,000円台半ばで伸び悩む可能性も

 次に、注目するのは5日移動平均線です。

■(図2)日経平均(日足)の動き(2020年11月27日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 前週末にかけての日経平均は5日移動平均線を下抜けてしまっていましたが、先週は週初の「窓」空けによって再び上抜けを取り戻し、以降も5日移動平均線上をキープして終えています。

 過去の日経平均の値動きの経験則として、「一定の大きさでトレンドが発生した際、株価が5日移動平均線を抜けるとトレンドが一服する」という傾向があります。実際に、春先5~6月にかけての上昇局面も5日移動平均線の下抜けによって上昇がストップし、以降は数カ月間にわたるもみ合いの展開へと移行していきました。

 ただし、今回は株価の5日移動平均線の下抜けが上昇一服のサインとならず、いわゆる「ダマシ」となりました。それだけ買いの勢いが強いという見方もできそうです。事実、週末にかけての2日間(26日と27日)の値動きについても、マイナス圏からプラス圏に切り返す動きで陽線となっているため、買い意欲の強さがうかがえます。

 とはいえ、両日とも25日(水)につけた取引時間中の高値(2万6,706円)を超えていません。2万6,000円台半ばで伸び悩む可能性があり、週初の早い段階でこの2万6,706円超えを達成できるか、もしくはこの水準でのもみ合いとなるか、そして調整に転じてしまうのか、今週はこれまでの相場の強さを継続できるかを探る週になります。

 いずれにしても、「ボリンジャーバンドの+1σ下抜け」と「5日移動平均線下抜け」に注意しつつ、上値を意識する相場地合いと言えます。