「自助・共助・公助」~公的年金の役割は「共助」

 菅義偉総理大臣の所信表明演説で登場した「自助・共助・公助」のフレーズ。この3つの整理をしておくことは、私たちの老後資産形成を考えるとき、役に立つと思います。

共助とは何か?

 公的年金は基本的には「共助」として説明されます。私たちの年金保険料が今、年金を受ける世代の給付を支え、また年金保険料を納付し続けることにより将来の世代から給付を受ける資格を手に入れる仕組みになっているからです。

公助とは何か?

 国民の所得保障の役割としても公的年金の役割はあり、基礎年金(国民年金)の給付財源の2分の1は税財源により、まかなわれています。その意味では、一部分は「公助」の役割も含まれているとも言えます。

 私たちは自分の力だけで老後をやりくりするわけではありません。むしろ経済的基盤の多くは公的年金に依存しています。

自助とは何か?

 そして、自助努力という言葉がある通り、経済的な余裕がある人は自分で自分の老後に備える資産形成の上乗せを行う努力をします。自助の取り組みを支援する器となっているのがiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)やNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)などの公的な税制優遇支援制度です。