公的年金があるからこそ、NISAやiDeCoが生きてくる

 公的年金はあなたのリスクに備える公的な保険です。一方で公的年金があなたに確実に保障してくれるのは「老後の長さ」というリスクであって、「老後の豊かさ」まで期待するのは無理があります。もちろん今よりも負担増でよいというのならそれに応じた給付増も実現可能でしょうが。

 それでも「老後の長さ」という不確定要素をカバーしてくれるだけで、共助の価値はあります。10年の老後もあれば、30年あるいはそれ以上の老後もあるというのは資金計画上あまりにも不安定だからです。

「老後の豊かさ」に備えるのは自助の部分であり、iDeCoやつみたてNISAなどの活用ということになります。そして会社が実施している退職金・企業年金制度もそこに加わります。

 まずは自分の会社のモデル額を把握し、今チャレンジしているiDeCoやつみたてNISAの65歳ごろの見込額をシミュレーションしてみましょう。

 そうすれば「自助・共助・公助」のバランスの向こうで、自分の老後の安心が見えてくるはずです。