景気の実態と株価が大きく乖離する状況に

 近年、世界中で行われている未曽有の金融緩和により、景気実態と株価が乖離(かいり)する状況が続いています。

 足元の景気は、国内外とも新型コロナウイルスの影響により大きく落ち込んでいて、その流行前の景気水準に戻ることすら、なかなか難しい状況です。

 しかしその一方で、日経平均は29年ぶりの高値になっており、新型コロナウイルスの流行が日本よりはるかに深刻な米国株でさえ、大きく上昇しています。

 一昔前は、景気と株価はタイムラグこそあったものの相関関係にありました。景気が良くなれば株価も上がり、景気が悪くなれば下がりました。

 でも今の金融緩和時代は、景気と株価は別物、と考えた方がよさそうです。景気が悪いから株価も上がらない、という従来の考えでは、昨今の株価上昇はなかなか理解できないでしょう。