日経平均の上昇トレンドは勢い継続

 先週末11月13日(金)の日経平均終値は2万5,385円となり、前週の2万4,000円台超えから2万5,000円をも超えてきました。

 週を通じて、連日で「29年ぶりの高値更新」という言葉が踊り、直近2週間の上げ幅(1,348円と1,060円)も2,400円以上と大きくなっています。前回のレポートでも指摘した通り、先週も「株価が高いかどうか」ではなく、「相場が強いかどうか」で推移した格好です。

 週末13日(金)はさすがに下落し、前週からの連騰記録は8日間でストップしたものの、足元の相場の強さを印象付けています。

 今週からは国内企業の決算発表が一巡するため、米中の経済指標(10月の小売売上高および鉱工業生産)や、新型コロナウイルスの感染動向をにらみながらの展開となると思われます。さすがに「上げ過ぎ」感も漂い始めている中、株価上昇の一服も想定しておく必要がありますが、気になるのは「株価が一服して下落した際に、買い向かって大丈夫なのかどうか」です。

 まずは、2万5,000円台に乗せた日経平均について、いくつかの視点で見ていきます。

■(図1)日経平均(日足)のボリンジャーバンド (2020年11月13日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 最初はトレンドの勢いです。上の図1は、前回も紹介したボリンジャーバンドです。

 ボリンジャーバンドでは、一般的にトレンドが発生した際、バンドの幅が狭い状態から拡大し、株価もそれに沿って動いていく傾向がありますが、ここ2週間の日経平均も、拡大するバンドの線(+2σ)に沿って上昇しており、上昇の勢いは一応継続しています。

 さらなる上値追いで「行けるところまで行く」展開になってもおかしくはありませんが、前回も紹介した、トレンド一服の判断サイン(「株価が+1σを下抜ける」、もしくは「反対側の▲2σの線の向きが変わる」)をチェックする状況に変わりはなさそうです。

 なお、5月から6月にかけての時は上昇局面が一服した後、本格的な下落トレンドにはならず、もみ合いが続くことになりましたが、それでも2,000円超の上昇後に1,000円以上下落する場面を見せていましたので、今回についても多少の値動きの荒さを覚悟しておいた方が良さそうです。