日経平均だけが強い状況。物色の広がりに伴うTOPIXのキャッチアップが待たれる

 最後に、再び話を日経平均に戻します。

■(図4)日経平均(日足)の動き(2020年11月13日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 ここでは、シンプルなローソク足と移動平均線の分析です。具体的には週末13日(金)の下落と5日移動平均線について見ていきます。

 日経平均の過去の値動きを振り返ると、「株価が大きく上昇した後に、ローソク足が5日移動平均を下抜けると調整しやすい」という傾向があります。この傾向は5月から6月にかけての上昇局面でも見られました。13日(金)のローソク足は、5日移動平均線のところまで下ヒゲが伸びましたが、今週も引き続き5日移動平均線がサポートとして機能できるか注目です。

 また、13日(金)の日経平均は前日比で135円安(0.53%安)でした。これまでの上昇幅に比べれば「些細な」下落に見えますが、実際には、指数寄与度の大きいファーストリテイリングや東京エレクトロンの株価が上昇していたことが下げ幅を限定的にとどめさせた面があります。

 さらに、この日の騰落銘柄数(東証一部)は、値上がり341銘柄に対し、値下がりが1789銘柄と、値下がり銘柄がかなり優勢で、TOPIX(東証株価指数)の下げ率(1.33%安)は、日経平均よりもかなり大きくなっています。

 確かに、外国人の日本株に対する見直し気運や、日本株自体の出遅れ感などは今後も支援材料になると思われますが、現時点ではあまり物色に広がりが出ておらず、日経平均だけが強い状況に変わりはなく、物色の広がりに伴うTOPIXのキャッチアップが待たれるところです。

■(図5)TOPIX(週足)とギャンアングル(2020年11月13日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 そのTOPIXですが、上の図5を見ても分かる通り、先週は節目の1,700pを回復し、2018年1月下旬の高値を起点とするギャンアングルの4×1ラインを超えてきました。今後は、年初来高値を超え、8×1ラインを目指していけるのか、それとも跳ね返されてしまうのかという岐路に立っている状況です。

 ひとまず、今週の日経平均も上値を試すスタートになりそうですが、仮に調整を迎えた場合、TOPIXが4×1ラインを維持するなど、堅調さを見せているかどうかが押し目買いのひとつの判断材料になりそうです。