資金繰りに苦しむ宿泊、飲食

 コロナ禍を乗り切るためには、売上回復も重要ですが、まずは何といっても資金繰り。赤字でも資金繰りがうまくいけば倒産しませんが、逆に黒字であっても、資金繰りに窮すれば倒産してしまいます。

 日銀短観の資金繰り判断D.I.(資金繰りが「楽である」と回答した企業の割合から「苦しい」と回答した企業の割合を引いた値)を見ると、業況判断D.I.が悪いにもかかわらず、全産業や製造業、非製造業の資金繰り判断D.I.はプラスを維持しています。

 制度融資の拡充等で借入が容易になり、手元資金が増加している企業が増えているからなのですが、対照的に対個人サービス、そして、宿泊・飲食サービスは資金繰りが苦しいと回答した企業が楽であると回答した企業を上回っています。

▼資金繰り判断D.I.の推移

(出所)日本銀行「全国企業短期経済観測調査」より筆者作成。