確定申告に関する重要なルールとは?

 前回のコラムにて、「修正申告」「更正の請求」「期限後申告」の違いや、いくつかのシーンにおける対処方法をお伝えしました。

 確定申告においては1点重要なルールがあります。それは、一度提出した確定申告書につき、税額が多過ぎたため還付を求める「更正の請求」(※)を行えるのは、各種所得控除・税額控除などを漏らしたり、計算間違いをした場合に限られているという点です。これについて、例を用いて説明します。

※申告する内容により、更正の請求ではなく修正申告となるケースもあります。

 税法ではいくつかの申告方法のうち、納税者が自分で好きに選択してよい、というものが結構あります。ただし、例えばAの方法とBの方法があって、確定申告ではAの方法を使って申告したが、実はBの方法を使った方が税額は少なくなるため更正の請求で還付を受ける、ということはできません。これはAの方法もBの方法も、二つとも法で認められた正しい方法であり、そこには控除漏れがあった、計算間違いをした、という誤りはなく、更正の請求を受ける理由が存在していないからです。これが確定申告の重要なルールです。