配当金についても要注意!

 同じようなことが上場株式の配当金についても言えます。上場株式の配当金は、次の3つから選ぶことができます。

(1)配当金を受け取るときの源泉徴収のみで課税を完了させ、確定申告しない
(2)総合課税の配当所得として確定申告する
(3)申告分離課税の配当所得として確定申告する

 ですから、配当金を除外して確定申告書を提出した後で、配当金を確定申告した方が有利だと気づいても、配当金を含めて更正の請求を行うことは認められていません。

 最初の確定申告書を提出した時点で、配当金については(1)の方法を選んだとみなされてしまうからです。

 また、配当金を総合課税の配当所得として確定申告した後、上場株式の売却損と損益通算した方が税額を低くできると気づいても、更正の請求により申告分離課税の配当所得に変更することもできません。自身で(2)の方法を選んだことになるからです。

 なお、まだ確定申告書自体を出していない方が、確定申告の期限後に配当金につき申告して税額の還付を受ける、などという場合は期限後申告(還付申告)をすることができます。

 知らなかったでは済まされないのが税金の世界。余計な税金を払わないよう、今回お伝えしたことについては最低限知っておいてください。そして今後は複数の選択肢がある場合は有利な選択をした上で、その内容を含めた確定申告書を申告期日内に提出するようにしましょう。

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